棺姫のチャイカ 第8話

 3人目のチャイカだと思ったら。
 ガズ帝国が滅びて行き場を失ったと思われる旧民が盗賊化したのに出くわすお話。人が落ちぶれてる話はまぁ確かにこういう道のりなんだろうなと思いながら、例えば旧炭鉱労働者とかこんな感じだったんだろうかとか思いを馳せてみる。なんか最后盗賊もいゝ人で、やりなおせばきっとうまくいくさみたいな流れにしてたけど、実際問題厳しいよね。
 うーん、どうなんかな?。わりかしこういうのは地方の衰退問題とも繋がっているんだと思うんだが、今喧しいのは地方の自立論で、政府のバラマキでは依存体質から脱却できず、同じことの繰り返しであるというもの。そりゃそうなんだけどサ、じゃぁ政府が今までやってきたのはどう考えるんかと。農業が広い土地を要求し、それは都市部にはなく地方にしかなかったという産業構造のおかげはあったんだけど、もともと地方で自立して成り立っていたものを、工業化ということで、全国から集めた資本を集中的に特定の産業にえこひいきして投資して、その結果地方から産業も人も奪ったわけだからさ、地方が自立できなくなったのはある意味政府の責任でもあるわけでサ。今ですら特定の産業に国民の血税補助金として注ぎ込み、やはり特定の産業をえこひいきして、地方に新規産業が興るような機運もなにもないって状態で。いや、もちろん地方で農業振興してそれで産業化できるのか?と言われるとまぁ近代ってそういう時代ではないんだけど、すくなくとも一極集中という形ではなく、地方に多極展開して国内産業のブロック化はできたわけなんで、力を奪われ、その結果体力のない地方零細民に、中央の特定産業との利権を温存して力関係が逆転の仕様もない構造で、地方は勝手に自分で何もかもやってくださいってのはねぇんじゃねぇのと痛切に思う。
 物語的には、遺民はどうあがいてもはいあがれる機会すらないという夢も希望もない展望を示すわけにもいかす、また、現政権が国民の生活を抜きにしてやれ戦争だと騒いでいるまさに現実社会と同じ構造を活写しているから、何の問題もないんだけど、やっぱホント現実を振り返ると身も蓋もない状態を思い知るだけではあるよな。