いやまぁ、こゝまで来たら我慢もクソもなくて、そのまゝ突っ走るべきというか。
どうやら次はミッドウェー作戦らしい。吹雪がトレーニングの結果、改二ならぬ改になり、赤城の随伴艦になるべく試練を受けるお話。吹雪の頑張りを描写しているんだけど、無理が祟って事故に繋がるが、そのへんのシリアス要素は如月の件に関する睦月の思いに凝縮されてはいる。…んだけど、うーん、なんてゆーのか、尺が足りないというよりはあまりそのへんの生と死との狭間の深さはあんまり感じられなくて、ひたすら吹雪のレヴェルアップを持ち上げるための要素を詰め込んでみましたってところ。時間をかければよいというものでもないんだけど、やっぱ結果ありきなんだよね。いちおう赤城の随伴艦になるために加賀の提案によって試練が課されるんだけど、途中の吹雪の切り替わりもやっぱり雑。こてんぱんにやられていたのが、どうして精神的な切り替えで課題をクリアできるようになるのかさっぱりわからない。陸軍とはちがって海軍は基本機器操作の巧緻でしかないので、…という点を差し引くとしても、吹雪が著しい成長を見せるターニングポイントを上手く示せていないような気がした。
うーん、やっぱ正直吹雪の成長モノとしてみてもちょっとあまり出来がよいとも思えないなぁ。今回語られる、「なぜ吹雪なのか」という点もお告げ以上のモノはないし、もしかしてその合理的な理由が後から語られるのかもしれないんだけど、それにしてもな。努力シーンは確かにあるんだけど、今までの描写から感じられるのは堅実な積み重ねというよりは何の工夫もなくひたすらトレーニングという作業を繰り返してきたゞけのように見えてしまうし、かといって今までの彼女を超越する飛躍がなにか示せているわけでもない。もともとのゲームが必要な錬度や装備を備えてみても結局のところ結果はあくまで運任せってもんだから、そういうところを表現しているのかもという考えもあるが、まぁそういうのを物語に持ち込むべきでもないだろうし、実際そういうものでもなさそう。
戦争の悲惨さを語るにしても、今回の睦月の描写からすると、結局身近な存在が失われるのが耐えられない以上のものはないと思うし、そのへん視聴者はおろか、キャラにも重く受け止められていないような描写ではあったので、やはり今一この作品がメッセージとして何を提示しているのかよくわからないという。いやホント、海上の疾走シーンぐらいかな。自分が見どころと感じられるのは。で、実際のところ自分にとってはそれで十分だったりはするのだ。