なんかぼんやりんHKラジオを聞いていた。

 震災から半年ということで、東北の特集をやってる。昼頃からのは、なんか現地の人にあれこれ言わせていたが、結構問題があって大変そうだ。
 なんか脈絡がなくて申し訳ないんだが、いまメモしとかないと忘れそうなので書いとくと、メルトダウン直後はがんばれ福島なんてメッセージが垂れ流されていて、福島産の農産物を食おうというキャンペーンがそういやマスゴミが流してたなと思い出した。で、どこぞの大臣ではないが、除洗が重要だって言っている現在、もう福島産の農産物が安全だとは誰もいえなくなっている状況だと思う。これは自分も予測が出来なかったな。いや、実は震災直後自分の職場でも募金活動があって、結構多くが集まったのだ。いや、自分は少ないながらも、でも職場ではなく他経由で募金に近いことをやったのだが、職場では予想外の収穫にかなり管理職が喜んでいたのだ。で、そのときは、「どうせあとから増税で東電の尻拭いをやらせられるぞ」と思っていたので、白々しい目で見ていたような気がする。さすがにこちらは当たった。
 さて、ラジオの件だが、興味深いことに地方の凋落振りが晒されていた。いや、もちろん地方が虫の息だって事は、今まで自分が言い続けてきたことではあるんだけど、改めて浮き彫りになった感じがする。結局産業が無いんだよな。ラジオではもっと直裁に雇用が無いと言っていた。で、恐ろしいことなんだが、今度の新内閣に期待すること…というか、日本人がずっと政府に期待してきたことってのはあくまで「景気対策」なんだよ。いや、少なくともマスゴミはずっとそう言い続けている。景気対策に含まれる形で雇用ってのが出るくらいで、ほとんど雇用自体がクローズアップされることが無い。これが、例えば欧米ではまったく逆で、あちらは雇用対策が主に問題視されていて、それ抜きに景気対策を政府に期待するって話をほとんど聞かない。
 これは、結構面白い構図で、言い換えれば、日本っていうのは政府としては、大企業の味方であって、大部分の庶民ははなっから切り捨てゝいるってことがまるわかりになっている。というか、日本の大企業ってのは昔からあまり社会性のない団体であったのだ。高度経済成長期は企業のおかげで経済成長もし、豊かなモノを全国にいきわたらせたじゃないかという向きもあるだろうが、いや、あの時期に起こったことは、都市部にある大企業が地方から人もカネも奪い取っただけ*1のことであって、別に日本国民を豊かにしようという動機が寸分もあったわけじゃない。一部の社員にそういう志があったとしても、いや組織としてそんなご立派な理念があったわけじゃないのだ。だって、地方にモノが行き渡り、売れなくなってカネを収奪できないとなると、すぐに市場も産業も海外に移転したのだ。バブルまでは日本を食い物にし、バブルが終わると、途端に日本を切り捨てた。こういうことをし続けてきた大企業が、日本の為に雇用をなんとかしようと思うわけもないし、その大企業から賄賂をもらって言いなりになっていた自民盗だのが、地方はおろか、日本国民に雇用を確保するなんて考える筈がない。東京大震災も阪神大震災も、被害にあった地域が経済地域であり、カネ払いのよいクライアントだからこそ、そのカネに群がって震災復興が進んだに過ぎない。ところが東北大震災では、被害に遭った地域は都市部にカネを吸い尽くされた地域なのだ。カネの無いところだからこそ復興も進まない。復興して欲しいんならカネを寄越せというワケだ。そしてその金策増税なのだ。阪神大震災に比べて復興がこれほど遅く、増税がこれほど話題になるってのはそういうことなのだ。で、福島に電気を送ってもらっていた首都圏は知らんぷりだ。ラジオでは復興は時間がかゝるから、腰を落ち着けてやらないといけない、現地の人が主役に成らねばならず、政府よりは民間活力に期待したい、でもそのための雇用が無い、一つの方法として公務員を増やせなんていっていた。まぁつらつら書き連ねてきたが、地方には雇用が無いってのがあらためてクローズアップされたのが今回の震災騒ぎであり、そして被災地では震災のためもっと雇用が酷くなっているってことは押さえておきたい。
 で、面白い構図なのが、それをなんとかしようといろいろ提案をしているのがアニメであるということだ。今日視聴した星架かにしたって、地方を題材に扱っている。今回の陽菜のあり方も、地方でふんばって頑張ろうとする若者の姿を描いている。彼女が神社やよろずよに納品する姿を描いており、地方じゃ商売にならないと嘆く大人を描くのではなく、人と触れ合って、その関係性を大切にしながら地方を盛り立てていくという姿になっている。今回の神事にしたって、例えば実写ドラマだと文化人類学的な考察はなされず、たゞのアイドルの引き立てという意味でのシチュエーション作りにしか利用されず、地方ニュースにしたって、あまり意味合いについて視聴者に考えさせるわけでもなく、「行事や地域の人を紹介してやった」というレヴェルにとゞまっている。まぁそれほどアニメを絶賛しないといけないほど影響力があるか?と問われゝば、そんなことはないんだけど、そしてドラマにそういう埋め込みがなされていないかと言えばそんなこともなく、むしろ万人を相手にしている以上、小難しいことを埋め込んでもそれはほとんどの視聴者に伝わらず、ならばもっと人間の動物的な仕掛けに訴えかける努力をさせられてしまっているわけで、実写を非難するわけでもないんだが、いや、なんか救えない構図にはなってはいるよな。まぁ民俗学的な事柄についても、アニメだと割合自由な発想で取捨選択しているような気はするが、実写ドラマだと、大抵扱われ方が陋習だの悪い因習だのといったものが多くてうんざりすることはするのだ。まぁ昔の風俗がすべてよかったわけでもないんだけどね。
 というわけで、いやホント地方の問題、それも都市部が地方を収奪した結果としての有様ってのが浮き彫りになったのが震災ではなかろうかと思うのだ。いや、本当に日本を何とかしたいっていうのだったら、福島を日本の首都として再構築するぐらいの勢いじゃないとダメなんじゃね?。もう昔からの村落共同体の絆なんて崩壊しきっているだろうし、すべてをさらにしてやりなおすんだったら、むしろ福島のほうが適しているんじゃね?。どうせ復興財源がどうのといっているのだって、ゼネコンだのといった大企業だろうし、そんなの非常時に吐き出されるカネに群がるハイエナに過ぎんだろ。そいつらが腰を据えて仕事ができるよう、福島に釘付けにするぐらいの気迫が必要だと思うがね。でもそうはしないんだろ?。大企業に国民から奪ったカネをバラ撒いて仕事したフリをするだけなんだろ?。で、ある程度カネを使ったら福島というか地方を見捨てゝ、また荒稼ぎの場を求めて大企業が日本や世界を喰い散らかすのを黙って見てるだけなんだろ?。ヘンな話、コレを機に地方をバランスよく発展というか、まさに日本全国をバランスさせるいゝ機会だと思うんだがね。

*1:地方の過疎化が一気に進んだのが高度経済成長期だったりする。