ロウきゅーぶ!SS 第7話

 もっかんはマグロなのか…。
 後半に入り、5年生チームとの絡みに戻る。真帆の豪邸での宴会は何事?と思ったら、大会開催&出場のお膳立てだった。強引といっちゃぁ強引なんだけど、これはよい舞台。まさか公式戦に出られないからといって、草バスケの描写だけやるわけにもいかないってとこだろう。
 今回は愛莉が背が伸びて体操を断念せざるを得なくなった他者への思いやりを示して、これにはやられたと思った。今時のテキストって、「夢」→「努力」→「結果」ってフォーマットが一般的なんだけど、その努力を夢実現のために必須として、いろいろなエピソードを盛り込むってスタイルになっていて、視聴者に努力至上主義を植えつけるという結果になっているんだけど、努力ではどうしようもないってことを示すのが一つ。そして、この作品がやれ全国を狙うとかそういうガチムチスタイルじゃなくって、いわゆる裾野を描いているから、そういうところで万人は生きていけるって姿を示すということになっており、なんか社会の懐の広さを感じさせる。
 周囲より卓越したステージがあって、そこに立っていゝ思いをするという格差のエグさを讃えるんじゃなくて、そりゃある分野で優劣はあるけど、そこに人の優劣を見出すためにやれバスケだのといった土俵が利用されるんじゃなくて、土俵はあくまで人と人とが交流する場であって、そこから多様な価値を見出していこうって態度はなかなかにして胸にクる。もっかん達がめざしているのも、大会で優勝することではなくって、5年生チームを吸収してよりバスケを楽しもうって方向性だろうし。
 そういった意味で、今回見てると特に試合の描写よりはそういう環境に対しての描写に重点がおかれていて、なにやら前回までとはちょっと雰囲気が違っていたように思う。