やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第13話

 めぐりぃ、おぼえた!。
 俺たちの戦いはまだまだこれからだEnd。番外編だということだが、文化祭からの続きという形になっており、トラブルらしき壁がなかったゞけで、いわばボス戦終了後の後日譚という意味ではフツーに最終回という雰囲気だった。うーん、別にトラブル推奨ってわけでもないんだけど、終わってみれば書くキャラが人間関係的に落ち着いてしまっていたな。お互いが知り合いになって頼り頼られる存在になってしまって、そりゃ紆余曲折はあったけど、ミッション終了って感じだな。自分はむしろ比企谷や雪ノ下の立ち位置は変わらず、なぜかトラブルだけが解決していくという流れになっていくのかと思っていた。誰もが仲良しという理想的な(というかお花畑的な)形ではないが、これはどちらかというといゝ部類に入る人間関係としか思えない。比企谷自身は自分の立場を保持しつゝ、存在感のある立ち位置になっているから、むしろ彼としては大オッケーなんじゃないかな。雪ノ下は毒舌も抜けていないし、彼女らしさを持ちつゝ、やはり存在感のある立ち位置だし。由比ヶ浜が三浦グループとの距離感をどう保っているのかちょっと描写が少ないんでわかり辛いが、おそらく休み時間あたりは前と変わらず、放課後は元々各人部活動のあるのは部活動、そうでなければ、気の向いた連中同士で街に遊びにいくって感じだったろうから、ほとんど変わってなさそう。由比ヶ浜が休み時間も比企谷のそばでベッタリってことは無いだろうし、放課後の奉仕部での活動で比企谷や雪ノ下と共に過ごす時間が増えたぐらいじゃないかな。
 まぁこうやって終わってみると、なんかフツーにお互いが知り合えばそれなりに仲良くなれるんじゃね?とも思わされてしまう。衝突があっても、それを処理するシステムが彼らのグループでは整っているのが大きいが、そうなると、今やれスクールカーストだのいじめ問題だの世間を騒がせている学校の陰湿な問題とは別物って感じがするね。まず、問題を共有化させる存在である平塚の役割、問題を整理する雪ノ下、問題の解決法を示す比企谷、組織内の調停役である葉山、対人交渉力のありそうな由比ヶ浜など、そりゃ物語だからそれぞれの役割が与えられて話が進んでいくのでそうなんだろうけど、なんかエキスパートが揃いすぎている感じ*1だね。そういった意味ではあんま現代的な問題を考える処方箋って感じではない。昔の物語と構造は同じのように思える。但し、ホンネぶちまけだの、そのなかでの世界(社会)の真理だのが散りばめられていて、そのへんから得るものは大きいってところかな。
 なんかヘンな思いではあるが、比企谷や雪ノ下がトラブルを処理しながらも、周囲から認められないって流れじゃないと、落ち着いてしまって、今後話が続かないんじゃないかと心配もしてしまうんだが、おそらくこのキャラたちが相互承認されるという流れはアニメ独自のものかもしれないし、原作では雰囲気がもうちょっと違うのかも。毎回面白かったし、落ち着く地点として悪いというものでもないんだけど、視聴前に抱いていた期待感からはちょっとズれたものではある。で、ズれたものが自分にとって新しい視点を与えてくれるってもんでもなかったかな。評価は前回したのと変わりはないが、なんか肩透かしを食らった気分だなぁ。

*1:よく考えてみれば、昔の社会構造が、このように各人がそれぞれの組織で存在感を示すよう専門技術だとか職業そのものに特化していくというシステムになっていたように感じる。今だと誰にでも出来る作業を安い賃金でこき使う領域が大きくなっていて、それでは各人はスキルも、スキルに付属する社会性も身につけることができず、社会での立ち位置を得られないまゝ使い捨てられていく構造になってしまっているように見える。