C 第6話

 デレた真朱もこれまた堪らんな。
 いや、これ、どーなの?。結構トバしてるような気がするが、本当にこの勢いが最後まで続くんかね?。という風に、もうこれ凄い引き込まれてしまいましたよ。
 まづ、ディールをパスすることの是非だよな。パスによってなんらかのペナルティが課されるのかと思ったんだけど、持ちガネ半分になる他はなんにもないらしい。だとすると、公麿がパスするのが理に適っているような気がするのだ。というより、なんで勝負したのか、彼の心境の変化がわからない。宣野座も、公麿にパスさせてなにかこっそり得をする詐欺師なのかと思ったのだが、そういう素振りも、結末からそういう正体が窺えるってこともなかった。確かに宣野座は苦労を知らないお坊ちゃんなのかもしれないが、が、いわゆるノブレスオブリージュを果たそうとしている資産家は彼ぐらいのものだろう。それとも、公麿がパスを引き受けたら、損失の穴埋めを宣野座はせずにトンズラってことだったのかな?。いや、さすがにそれはなさそうだが。
 でだよ。たしかにストーリーラインからすると、こゝで公麿がパスを引き受けて勝負はありませんでした、ハイ…では格好がつかない。勝負をしないことで人を犠牲にしないという安心感を体験した公麿が次の勝負に真剣に取り組むハズもないわけなんだが、じゃぁストーリーが盛り上がっていかないから、こういう結末にしたのか?と言われゝば、それも違うだろう。三國と宣野座の、未来を食い潰してゞも現実を生きるために他者を喰い物にすべきか、いや未来を食い潰すのはよくないから今あがくのはやめるべきかについては、確かに三國のほうが公麿に対して訴求力がある問いかけであるというのもわかる。が、所詮金融街ってのは、欲深な連中が蠢いている場所なので、パスして宣野座をやりすごしても、他の連中は皆全力で公麿の資産を奪おうとしてくるよってのは現実社会でもふんだんに見られることだ。金融街でのディールが、ディールという行為自体が付加価値を生み出すものでない以上、資産家同士での奪い合いであり、パスなんぞしたらいたづらに資産が減っていくだけだ。みんなが勝負を回避すれば、資産総額は減るばかり。で、現実問題としてみんながみんな宣野座のような考え方なら、その考え方なりに持続可能な経済を組立もできるのだろうが、現実世界は宣野座は何万分の1しかおらず、あとほとんどの人間は奪う人間なわけだ。田舎に住むと鍵をかけないでもモノが盗まれることもない体験をするのだが、都市部で鍵をかけないのはバカのすることである。宣野座の考え方は現実にはスグ破綻するのは疑いようもないことではあるのだ。
 いや、しかしだな、ミダスマネーが未来を食い潰しているものということから、毎年発行されている国債のことなんかな(前回もそういう描写があったが)と思ったりしたが、いや、やっぱミダスマネーって日本だけのもんじゃないから、それもどうかなと思ってみたり、なかなか正体をつかませてくれないな。まぁそれはともかく、もう真朱の戦いぶりとか泣いちゃうよね?ね?ね?ということで。