C 第4話

 えらい熱いな。
 数年前の自分だったら「世の中そんなもんだよね」で流してたと思うんだけど、そうできないだけの勢いがついてしまった。公麿もなんか火がついた模様。
 前半は公麿が通う大学のセンセーとの対決&後日譚。自分はてっきり負けた江原は自殺するかなんかするのかと思っていた。じゃなくて敗者にとってかけがえのないものが「なかったことにされる」んだな。ん〜、なんというか、コレ、ストーリーを素直になぞると、処理として結構甘っちょろいんだなということになるんだが、これがなんかのメタファーなのだと考えると深いような気がしないでもない。要するに社会的に抹殺されるんだろう。で、江原は自分の負けを自己責任として受け止めて決して公麿を責めたりしない。自分の命や社会的地位が保全されているから追いつめられてないんだろうなというのはわかるんだけど、人間なかなかこうはなれないよな。が、このキレイ事はあくまで後半部分との対比を考えて構成されている。
 で、後半なんだが、三國と強欲爺菊地との戦い。これ、三國が1%の差で勝利して見せたということだが、これも現在の日本が老害によって喰い散らかされており、志ある者はそいつらにだって気遣いをしてやらねば生き抜くことが難しい*1ということを示している。ディールでの決着の描写が大袈裟なんで、細かいところはよみきれてない可能性が高いけど、菊地自身は三國がまけることによる現実社会への影響は寸分も考えてなかったろ。パックマンディフェンスの返し技による三國のダメージもすべてシナリオ通りであるらしく、本当なら年上で知恵も経験もあるはずの菊地はたゞ力を振り回すだけで、結局のところ三國の手のひらの上で転がされているだけらしい。
 三國のギルドも互助組織なんだろうなという想像がつくんだけど、いちおうこれで主文は終わりと。OP映像の最後らへん、三國と公麿が戦うシーンでヒキになっている。多分二人が対決する展開になるんだろうけど、そこへ至る状況ってのがスゴク楽しみ。公麿はヤル気を出したようではあるのだが、かといって奪う・奪われるだけの金融システムに納得したわけでもなくって、これからも納得しなさそうでもある。で、公麿があまり三國の行動を妨害するとも思えないんだよな。これ、いくつもの(アニメ)テキスト作品によくある、「世の中の不条理をなくすために、まずその世界の前提自体をがらっと変える」って予感はするんだけど、ポジティブ志向の主人公ではなくって、むしろ「カネなど不幸にならない程度あれば済む話であって、いびつな金の流れをなくす」ぐらいのことなんだろう。が、生き馬の目を抜く金融街(現実社会のも含めて)でそういうかけがえのない日常をバルクとして守るという主張はあまりにもリアリティがないし、もちろんこの作品もそういう主張を意図してないだろう。三國も三國で、強欲老害とは違った考え方であるんだけど、ホントこの二人がどうやって対決していくようになるのかワクワクする。

*1:この気遣いが正しいわけではない。内部から変革するという歴史上の試みはすべて失敗しているよ…ってのは前にどれかのエントリーで述べた通り。