あそびにいくヨ! 第12話

 NATO軍が危機になっていない件について。
 〆が今一だな。猫の人の宇宙船乗っ取りのエピソードの次が、軌道エレベーターの贈り物って意味わかんない。沖縄に雪を降らせて感動のシーンなんだろうけど、あまりにとってつけたようで後味が悪い。


 うーん、この作品もあまり大きく期待するものがあるわけじゃなく、ゆるゆると楽しむつもりだったのだが、どうなんだろ?。高山カツヒコが脚本もシリーズ構成も担当している割には…って感じだし、だとすると原作が今一なのか?。いや、原作に人気がなければアニメ化の企画も無いだろうし、だとすると原作にも見るべき点はあるんだろうという予想はしてみるのだが。AICアニメの悪い所がでたってことなのかな?。
 本作の主張としては、それこそ最終回でエリスが言ってた、みんな仲良しってことなんだろうけど、なんつーかね、実現性が少しでもあるって感じでもなくって、いや、実現性がなくてもこういう形になってるといゝよねって感じでもない。たゞひたすらに仲良き事は美しき哉って題目を何度も唱えているだけで、キレイ事じゃんって印象が強かった。今回のエリスの台詞「喧嘩の理由はわからないが仲直りしろ」ってのはあの場では火に油を注ぐことにしかならなくって、で、じゃぁあの台詞はそういう役割であるってのを脚本はしっかりとわかってもおり、声当てもちゃんとそのように演技していたわけなんだが、じゃぁなんであの場面でエリスにそう語らせるか?って意図がね…。そりゃ愛人なら共存可能ってずっこけ結論を導くためではあるんだが、いや、それでいゝのかと。まぁ書き連ねていくとキリがないのだが、どうにもこのみんな仲良し概念がねぇ、肝心なところでの魅力を減じているような気がするんだよ。宇宙人が来て、友好を樹立するのにまず国交、大使館を設置して、それなりの活動をするだのといった手順を踏んでいるのはなるほどと思う部分もあったんだよ。そうだよ、いきなり交流ったって無理だよなと。他の星から来たということもあって、違う部分もあるんだろうが、見かけもコミュニケーションも大概にしてそれほど障害もなく、でもいきなりってことはなくて、つきあうには順番があるだろ?って問いかけね。それが犬の人との対比もあって、構造的にはいろんなお膳立てが出来ていたと思うのに、物語ではあまり生かされていないという。
 で、それらのよどみを吹っ飛ばすほどの、本作の魅力が真奈美とアオイの恋の鞘当て。ちょっと点火しただけで、みるみるうちに炎上してしまうこの激情はなんだ?。いきなり別世界になっちゃうもんな。ホント、キヨを巡る戦いになると、台詞の一つ一つが輝きだすもんな。半端ねぇよ。で、この応酬が全然陰湿じゃないんだよ。をまえだってをまえだってと、二人がお互い自分を見つめなおせ自分に素直になれと言ってゝ、聞いているこっちが恥ずかしくなるというか、すごく微笑ましくなる。二人ともキヨ以外の男には見向きもしないけなげな娘で、どちらも積極的になれない、でもそばを離れたくないってわけだろ。くぬっくぬっくぬっってなワケで、うらやましいことこの上ない。
 っつーワケで、せっかく友好だの、名作SFへのオマージュだの、いろいろ面白くなりそうな切り口はあったのに、そういうのはどっかになげうっちゃってひたすらAICの趣味に走っていったのは残念というしかない。自分的には真奈美とアオイのキヨを巡る戦いだけが中盤以降の楽しみになってしまっており、それ以外は「ハァ?」な感じだった。っつーか、女の戦いを際立たせるために、他の要素はワザと滑稽に仕上げたのかね?。で、この作品って、どう考えても女の視聴者はバッサリ切り捨てちゃってるよな。女が真奈美やアオイを見て、こそばゆくても「ねーよ」と思う作品でもなし。まさにオタク向けの自分に心地のよいご都合アニメになってしまっているわけで、「一体誰が見るの、このアニメ?」という疑問が沸々と湧く。自分も本気で視聴対象に選んだわけでもなく、こういうアニメだとわかっていれば腹も立たない。が、これはあまり人にオスヽメできるもんでもないわな。評価できる部分もあるしで、おもろ-。