伝説の勇者の伝説 第15話

 勇者の遺物はやはり核兵器のメタファーなんだな。
 油断してたよ。勇者の遺物っていろんな種類あるようだし、何よりアルファ・スティグマ(の暴走)自体が強力な兵器だから、現実社会ではほゞ一種類だけしかない核兵器との関連が見つけられなかったよ。アルファ・スティグマにしたって、勇者の遺物にしたって、一般人の反応は核兵器ほど恐怖感がないし、ちょっと威力が大きめの兵器って印象しか受けなかった。要するに、勇者の遺物もアルファ・スティグマにおける力の発動も、全部ひっくるめて核兵器と見てよいのね。まぁ新OP画像でも冒頭に雷が同時発生するキノコ雲、そしてその直後に雨が降る描写があるから、間違いないところだろう。で、ライナーレポートに書いてあったのは核の抑止力による均衡政策だろう。
 うーん、ふりだしに戻るのはいゝんだけど、投げやりな経緯だな。まぁローランドに戻す必然性があり、で、そのための理屈付けを考えてもとってつけたようになるだけだから、無駄なだけだしな。で、シオンとライナー、ミルクを同時に会わせることによって一つ風呂敷を畳んだわけか。で、ミルク部隊は今後晴れてライナー達の支援部隊になるのかね?。
 ライナーがシオンに会うということにしたからには、何かシオンに伝えたいメッセージがあるんだろうなと思って注意して聞いていたんだけど、そういうのは汲み取れなかった。ということは単に物語上ライナーを勇者の遺物捜しから外すことがメインだったのかね?。OPの絵からすると、以降ローランドはガスタークとの戦争に入るっぽいから、暢気に外遊させる必要性がなくなったのかもな。
 しかし、シオンの善政の描写がないのが気にかゝる。もちろんとってつけたような市井の描写だと却って興醒めだからそういうのをしないってのは正解なんだが、かといって国民が口で感謝しているから、きっとまともな政治に違いないって視聴者に類推させるのも、これまたなげやりだよなぁとも思ってしまう。が、舞台をローランド領内にするわけにもいかないから、難しいところではあるよな。君主としての仕事をしない(できない)のも問題だけど、仕事をやりすぎて却って部下も追いつめてしまうという台詞も提示としてはいゝけど、これも描写としては上滑り。
 やっぱ男が男に覆い被さる描写からして女の子向けだよな…と思いつゝ、でもサラリーマン向けへの応援歌的メッセージも込められていて、いや後者の部分はどうしてもヌるくなってしまって、惜しいところではある。ミランもテキスト的にはイヽ人ポジションを獲得して、腐女子向けにいゝ感じになった反面、どうにも苦労人的親しみは薄れてきたようにも思うしな。あっちを立てればこっちがたゝずの難しい処理。そうはいっても破綻はないんだけどな。
 次回は総集編か?。フェリス・レポートがそうでもなかったゞけに、イリス・レポートも総集編的要素はごくわずかだったりするんだろうか?。ま、ライナー・フェリスもローランドに帰ってきて、新展開の前におさらいってのが自然な考え方だとは思うけど…。