伝説の勇者の伝説 第22話

 ちゅーは途中で邪魔されなければならないというきまりでもあるんだろうか。
 いやー、いろいろぶっ飛んできたなぁ。結構いろんな要素がてんこ盛りになっているようだが、整理がつかないまゝ垂れ流してみる。
 まずシオンだ。書類仕事がたくさん溜まっていたが、アホだろ。あんなの全部自分で目を通していたら物事が進まない。シオンのようなポジションにいる人間は、基本戦略を考えるのが仕事で、あゝいう枝葉末節なところまでやってはいけない。せっかく身分を問わず優秀な人間を取り立てゝいるという設定なのだから、その優秀な部下に任せてシオンは概略を報告させるだけでよい。病気療養中のクラウはともかくとして、文官っぽいカルネが遊んでいるように見えるのはどーなんだ?。
 で、世界の真の姿がどうだのとか言ってたが、どんな心境の変化があったんだろう?。虫ケラ呼ばわりされたミランがシオンの脱皮に喜んでいたようだが、そうなった経過が見えにくいんだよな。シオンの動機はあまり変わっていないように見えるんだが、ガスタークの圧迫に接して、生温い方法では実現が叶わないからまず強大な力を手に入れてから…なんて考えていそうだが。まぁ現代社会であっても、合衆国をなんとかしないと平和な世界が築けないのだとしたら、じゃぁ合衆国を上回るモノをまず持たなくてはならないわけで、そりゃ合衆国がやっている数々の悪行を上回ることが必要。周囲がおとなしく、自分の領域でこじんまりとやっていくという情勢なら、ローランドはローランド内のことだけに配慮してれば良いわけなんだが、ガスタークとか武力の強大なイナゴ国家が相手では孤立主義ではイカンわけだ。そのためにシオンがローランドを強い国にするために覚悟を決めたと考えるのならそうそう不思議でもない話である。
 ミランも最近出番が少なくて作者も彼のポジションを見誤っているのかとも思われるんだが、まぁそうはいっても最初から小物って扱いなんだろうな。彼がライナーを邪魔と考えるのがそもそもよくわかんないんだよ。ミランほどの現実主義者であれば、ライナーの利用はいくらでも考えられるわけで、なぜ殺すことにこだわるのかゞよくわかんない。ライナーはシオンの優しさを受け持つ者と考え、世界制覇のためならシオンに冷酷になってもらうべきと考えているっぽいが、冷酷一辺倒なら部下は誰もついてこないわけで。ミランはシオンを利用してはいるものゝ、シオンに共感する部分も大いにあって彼のために自分の手を汚すことを厭わない忠臣ってポジションなんだが、思い込みが激しく大局観に欠けるという位置付けになってしまったな。気の利いた家宰なら、主人の妾の一人や二人、周囲に文句を言わせないように都合をつけたりするもんだが、そういう余裕は彼にはないっぽい。
 女三人が今一精彩にかけたなぁ。いちばん女っぽいキファは他人に気を許してつけこまれるという女の愚かさを示していたし、フェリスは逃げ、ミルクはヘタレていた。なんつーか、彼女たちにとって何が一番大切なものとは何か?をみうしなっているような描写のような気がしたなぁ。
 で、こうやってキャラ達が七転八倒しているからダメだというわけではなく、むしろ面白いと思ったよ。予定調和じゃなくって一種の突き抜けが感じられる。ある意味守るべきものを壊してしまうことでキャラ達に脱皮を促しているようなんだよ。例えばここで、シオンが泣く泣くライナーを殺しましたとか、殺すフリをして匿ったとか逃がしただとか、そんでもって効率的な方法で国力を増強して外敵を撃退しました…なんて展開は退屈なだけだ。こんな疲弊した現実社会に暮らしていると、キャラ達が痛めつけられる姿を延々見せつけられて悲劇に浸るよりは、「冴えたやり方」を見たいとは思ってしまうんだが、こゝはやはり現実との格闘が一つのテーマだろうから、そこは外してこないんだろう。まぁあと3話でガスタークとの決着がつくとも思えず、「俺たちの戦いはまだまだこれからだ」ENDになるのだろうが、なんかそれはそれでもったいないな。