雇用を増やすための法人税増税

 「雇用を増やせ」に関する素朴な疑問 – アゴラ

いずれにせよ、税金が減ったり、利益が増えたからといって、需要増が見込めない限りは、雇用を増やすことはしない。

 まぁそうだろう。サプライサイド強化では雇用も達成されないし、需要を増やさないと、企業は投資もしないし企業にも投資されないらしい。企業が投資もされず、投資もしないのであれば、そういう企業は倒産するわけであり、サプライサイド重視の政策は被雇用者も雇用者も殺すことになる。
 法人税と雇用の関係についてみれば、

  • 昔 法人税高→税金でもっていかれるぐらいなら、従業員に還元→賃金増もしくは雇用増
  • 今 法人税低→税金で持ってかれないから取り放題→賃金減もしくは雇用減

 という結果になっている。つまり、空き菅は口では雇用を増やしてくれと言いながら、その実雇用を減らすために法人税の減税を言い出している。法人税を減税すれば、企業の利益が増えるから、当然自分に入ってくる賄賂も多くなるワケだ。
 しかし、雇用を増やすための方策が奮っているのではあるが、労働者のクビを切りやすくしろ、賃金を下げろとか、具体的な結論だけがトチ狂っている。いや、なんつーかね、雇用の流動性を高めろとか言っているが、本当に日本の雇用は流動的でないのか?と言われると、自信がない。大学時代の友人や、同じ研究室の先輩なんかを振り返ってみると、実はほとんどが転職経験アリという状態なのだ。転職していないのは官公庁に勤めているか、家業を継いだかぐらい。それもバブルが崩壊して、倒産がバリバリあった頃に転職が集中していて、雇用流動性が低かった頃ってどのくらい昔のことなの?と思うぐらいだ。雇用流動性が十分高い現在ですら雇用は減りつづけているワケだから、これ以上流動性を高めた所で首なし死体の数が増えるだけだと思うのだが。
 まぁ政財界の喜ぶような内容にしとかないと掲載もされないから、せめて結論以外の部分にメッセージを仕込むしかないと妥協したのか、それとも読者にヘンな期待を持たせながら、馘になりやすい世論になるよう巧妙に騙して、政財界へ自分を売り込んでいるのかもしんないな。