学園黙示録 第5話

 先生、左手。
 今回は奴らの明示はなし。しかし、この作品、ED替えてるのか?。絵はそのまゝのようだが。
 今回は毒島の殺陣が光ってたな。くるっと廻ってゾンビの背後に回り、木刀で薙ぐところとか、普通なら廻った勢いで殴るだろとか思ってしまった。どっちのほうがリアリティがあるんだろ?。どうせ相手は動きが鈍いので、位置の見極めとかそんなに必要なさそうだし、かといって体力を温存する動きなのかなとかいろいろ考えさせられる。バイクのエネルギーを使ったアクロバットはさすがにやりすぎだと思ったが、どうせアニメなんだから見た目重視でオッケーなのはそうだろうと思う。
 紫藤絡みのくだりも結構考えさせられるな。非常事態になって暴徒と化している人間もいる一方、紫藤の行う扇動についていくしかない人間もいるんだろう。今のところ紫藤は口だけの人間のような描写だが、実際危機に遭遇した時にそれなりの指導力を発揮するんだろうか?。選挙のときだけ耳障りのいい正論を口にするが、実際に実権を握ると人を使い捨てにして自分だけがいい思いをする政治屋がわんさかいるわけで、紫藤とか、モロそういう連中のメタファーなんだろうなという気がするが。
 平野のフツーであることになんの意味も無いって台詞(多分これが今回のメインテーマだろ)もグッときたね。まぁ非常事態であるってことも大きいんだけど、別に平野は自分が覚醒するために非常事態になることを望んでいたようでもないだろうし、混乱に対して必死に対応しているうちに破れかぶれになるしかなかったということだろうが。でも、日常に対して不満を持っていたからこそ爆発できたとも言えるわな。
 で、なんつーかね、主人公が今一よくわかんないのだが、主人公サイドのキャラは誰も彼もが自分の特技を持っていて、状況を自分で判断して自律的に行動しているのがなんとも胸がすく。日常に流されて受身で生きてきた人間は紫藤のような人間に頼らざるを得ないんだろうなという対比がね。
 で、こういう作品だから突飛な状況になっているけど、程度が違うだけで実は日常でも起こっており、絶えず己がどう行動するか選択させられつづけているわけなんだよな。気付いているかどうかは関係なく。たった一日で変化したとかいう台詞もあったが、決断はいつでもできるということで。
 演出とかその場でのテーマの提示などで結構ワクワクさせられるのではあるが、その実先の展開が読めないようになっており、これはなかなか見せ方が考えられているっぽいな。各人が協力関係になっていおり、それが継続しそうな流れになっているが、分裂の可能性もあるように思える。次回が楽しみな作品ではあるということで。