とある科学の超電磁砲 総評らしきもの

 いや、やっぱり総評は視聴直後の、まだ興奮さめやらぬ頃にやんなくちゃだめだねぇ。だいぶ記憶も薄れちゃってますよ。
 もともとと禁のスピンアウト物、しかも女性キャラを主役に据えてのって触れ込みだったから、萌えを期待する層へのアピールが強いのかと思っていた。いちおう主役を張っている御坂が、と禁では主人公に対してツンデレを示していたことから、同人っぽいつくりの、お戯れアニメになるのかと思いきや、かなり真面目な作りで意外だった。
 御坂を主役に、トラブルシューティング的作りになるのかとも思ったが、むしろ新登場の佐天を主役に、佐天…持たざるものゝ葛藤・御坂…持てるものゝ傲慢を対立に描き、最後にはそれらがこなれていく…本当の意味での“大人になる”ってこと*1が示されていたように思う。で、中坊だけでなくて、木山や舎監、黄泉川や鉄装などの大人は、どちらかというと見本になる大人として描かれていた。テレスティーナなどはそうでないってことなんだろう。だからこそテレスティーナの豹変ってのは、見本にしてはいけない大人ってラベリングなのかもしれんわな。
 そんなわけで、わりとこの作品は大人を描けていたのかなと。ある意味キレイ事が淡々と語られると禁より厚みのある内容だったのかもと思った。偽まるプロが関わっているだけあって、娯楽として消費されるにせよ、何か視聴者の心に刻み付けるものを用意したんだろうね。
 評価はおもろ+。最後駆け足っぽかったのは残念だけど、全体的なクォリティは良く、読み込めば味がある作りにはなっている。が、さすがにより一層の深さを求めてはいけないかな。偽まる氏に関して言えば、やっぱり働く人への応援歌って要素は今回も十分に含まれていたと思う。万人には勧められないが、それも原作の設定からすると無理はない。さすがにレールガンの続編はないだろうが、と禁の続編ってことになると、この作品を超えるのは結構難しいんじゃないかと思うがどうだろ?。

*1:本来自分が背負うべき責任を他人に転嫁して我慢を強要させるような、いわゆる“自民党的おとなになる”ってことではなく