とある科学の超電磁砲S 第21話

 自分も誰だかわかんなかった次号予告。テレスティーナという名前を聞いて思い出したよ。
 フェブリ人造人間説確定と、御坂達の戦いの準備。周囲に相談するかどうかって話だったが、男だったらフツーに相談しないよね。というか、今回はフェブリはあの場にいる御坂側のキャラ全員の共有物みたいになっちゃってるし、むしろ御坂だけが情報を抱え込むほうが不自然。妹達のときは御坂一人だけの問題で済むワナ。が、赤の他人、それも厳密には人間ですらないものに対する、身の危険も省みないこの親切さはなんなんだろ?。よく昔話にある旅人などに対する市井の人々の親切さなんかは、あれは現代と比べると圧倒的に娯楽の足りない時代の、非日常性イヴェントの歓迎だったりするんだけど、これはどうなんだろうな。このガチガチの管理社会でそういうのがありうるかどうかわかんないんだけど、例えば御坂達はフェブリが例えば汚らしいホームレスのおっさんでも親身に接するんだろうか?。やっぱミサカ妹の件でもそうだったように、捨て猫の造形がかわいらしくなっていたし、フェブリも「犬のおまわりさん」の子猫のようなめんどくさゝすらなく、ひたすら愛玩動物のような容姿・態度なわけで、そのへん狙ってるとしかいゝようがない。じゃなにか?、この作品は勉強・魔法・容姿が優れてなかったら差別されるのが当たり前な世界としか思えんワナ。まだ昔話の人々のほうが(おそらく汚らしい)行き倒れなどにも手厚い看護なりするわけで、そのほうが格が高い気がするがどうか。
 フェブリはジャーニーと呼ばれるオリジナルのバックアップらしいのだが、バックアップにしては放置が過ぎるし、それこそ特権階級によく見られる、次男三男以降は全員長男のバックアップという構造と変わらないというのもこれまたエグい。
 で、闇と向き合う覚悟云々もこれまた、以降の物語の盛り上げぐらいにしか感じられず、御坂に対する必要性があまり感じられないというか。いやはや、もうスピンアウトものだからこれでも構わないとは思うんだが、本編だとちょっと詰めが甘いといわざるを得ない。キャラたちのこだわりの根拠が低いとか、いやもう、ミサカ妹に不満を述べさせているあたり、原作者はそのへんわかってこのような話運びにしてるんだけど、いやなんかそれも読者に対する冷やゝな態度ってのがどうにもこそばゆい感じがする。現代日本の風刺にしろ、それがわかる人にはこの優しそうな物語がいかに気持ちの悪いものかわかってくださいよってのが作品として間違っているというわけでもないんだけど、かといってこのクソな現代日本に対するプロテストっちゅうのともちょっと違うような気がしてどうにも素直に評価しづらいというか。