鋼殻のレギオス 第2話「フラッグを奪取せよ!」

 だから隠しとけって言われただろ。
 やっぱ我慢できないヤツはだめなんだよ。というか、そうしてしまったら以降お話はしゅーりょーになってしまうので、そりゃ動かないわけにはいかないんでしょうけど。そもそも静かに暮らすつもりが人に目をつけられてスポットライトを浴びるようなところに連れてこられたわけで、うまくハめられましたなと。妹にすら懇切丁寧に説明までされていたのに、あそこで飛び出したら自業自得だろう。っつーか、あの妹も隊長の嘆きを転送していたのが謎だわな。見殺しにしときゃぁ、平穏な日々が続いたであろうに。それともレイフォンを試した?。
 なんつーか、ニーナ隊長ウゼェな。アゴの近くでとめられた拳の意味に気付かないわけで、スキルが劣るばかりか、状況を判断する力も、組織をまとめる力も無い。親のいうことも聞かずに家出同然ってところで資質が知れようものではあるが、バイトまでしている割には世の中がわかっちゃぁいねぇな。そりゃ他の小隊員に愛想を尽かされているわけだよ。思い込みだけが激しくて、部下は無駄な作業ばかりやらされるってパターンだろ。そりゃ一時の気の迷いで隊長を助けたレイフォンが妹に裏切り者と罵られるってのも、それまでの経緯を想像すると多いにわかる。
 というわけで、ダメな組織のなり上がりモノってパターンになるのかな?。確かに小隊のグダグダぶりを見るとあまり気分のいいものではないのだが、そうはいっても閉塞した組織で働かされているサラリーマンにとっては、大いに頷けるところであり、これからの変貌振りに期待するという方向性においては正しいと思う。
 しかし、都市っていう設定からすると、これからどう世界を描写するのか心配ではある。限られた土地・資源でうまく他国とやりくりをつけるってのは、現代の国際社会のあり方と良く似ているわけだ。ここで圧倒的な力を背景に、リソースの奪い合いをすれば、それは都市国家が共存することにはならず、都市と都市とが弱肉強食の生き残りレースに駆り立てられるって方向にしか進まないわけだ。で、現代の国際社会はまさしく前者の共存ではなく、後者のグローバリズムという名の弱肉強食レースになっている。第1話での学園生活の裏で展開していた化け物退治が何を意味しているのかにもよるが、やっぱこの物語としては後者の弱肉強食時代を生きる人間たちの格闘を描くものではあるのだろう。
 というわけで、前回に感じた物足りなさ感は大分払拭された。あまり汚い大人も尊敬すべき大人も描かれていないようだが、多かれ少なかれ現代人はこのような社会を生きているってことが言いたいんだろう。