拾い屋岩谷の職人っぷりに漢を感じるよ。
しかし、竜巻落しはねぇだろって感じだ。体がアレだけ寝てしまっていたら、全然力が入らないだろう。まぁ別に竜巻落しはリアリティの欠片もなくても、強敵を倒すための必殺技を獲得いたしました…ってことを示せればそれでいいわけなんですが。
木山の嫌がらせで偶然編み出されるってのも、「禍福はあざなえる縄の如し」ってことなんだろうけど、普通はぎすぎすした環境では無理だろうという気がする。そうはいっても、猪野熊の言うとおり、和やかな雰囲気で相手を気遣いながら練習しても突破口は開けないってのもわかる気はする。まだバレーがパワーで勝負がほぼ決まってしまうという時代でなかったからこそ、工夫や新機軸で勝つ余地があったんだろう。
今回のというか、北海道合宿が始まってから、八木沢の描写が注目ポイントだった。以前もさんざん述べたとおり、八木沢香の末妹への要求度が非常に高く、バレーに関して再起不能にしてしまった。当時はスポ根全盛の時代でもあり、ああいうスパルタが許容されやすかったとは思う。で、合宿中は八木沢も全日本チームの一員としてスパルタに耐える描写があった。
で、今回も物語的には猪野熊の意図を具体的に示す役割として、こずえの支援者になっていた。あんまり矛盾するわけでもないのだが、なんか雰囲気が寺堂院にいたときと違う。実業団チームに入って揉まれたのかもしれないが、今までの描写だと意志がかなり強い性格付けなんで、もともとああだとは思うんですけどね。厳しいかどうかは別にして、なぐさめるでもなく、突き放すでもなく、こずえを現実に引き戻すのはなかなか美しかった。
しかし、こずえの中には高校までの友人や湯島はいても、一ノ瀬努はもういなくなっちゃってるのね。