アタックNo.1 第99話 魔女誕生

 シェレーニナ、ふーじこちゃーんの声で再登場。
 しかし、木山の空気化もはやかったわな。そりゃこずえに焦点を絞って進める以上、メインライン以外は引き立て役でいいんだけどな。松山もいいキャプテンぶりではあるのだが、前回、前々回に比べると精彩を欠いているように思えた。そのかわりといってはなんだが、どうやらチェシカが良く育っているようでうれしい限り。チーム内のこずえの位置は、ルーマニア戦の2セットまではあくまで主力はヴェテランであって、こずえは攪乱要員という風に見えた。さすがにこずえをチームの主力ってのはやりすぎだと思うんだが、でも見方を変えればそのように見えてしまう。まぁそこは視聴者に任せるってトコでしょうね。こずえが主力になって嬉しい人にはそのようにも見えるし、さすがに新人が主力を張るのは無理があるだろうと思う層には、松山なりがスパイクをそこそこ決めている場面を見せてればよしって構成だろ。
 メインは「必殺技は必ず破られる」、「しかし努力すれば進歩する」というのを主題に、若手であるこずえの未熟さとか苦悩を描いている。で、もちろんその描写は凡百の作品に比べれば格段に問題提起として優れているとは思うんだが、どうも単調に感じてしまう。こずえがあまりにも自分の技と不安にしか目が向いておらず、ライヴァルのシェレーニナも、なんか自己主張の強い女に成り下がっていて、どちらも余裕が無く、勝つか負けるかにしか意識が向いていないような気がするんだよね。ジュニア選手権ではもっと相手の努力などを素直に讃えたり、人間としての幅を感じさせるものだったような記憶があるんだけど、大人になった割には即物的になったよな…と複雑な気持ちになった。別に猪野熊も人間性を捨ててまで勝ち負けにこだわるって感じでもないわけで、なんだかね。そういうところも含めて、視聴者に「こずえはそんなにまでして自分を追い詰めなくてもいゝのに…」と思わせることが目的なんだったらすごいとは思うが。ま、そういう受け取り方をする人が居てもいいよねって程度で、あまり強い主張ではないと思うけど。
 あー、あと10話を切ったんだっけ?。まぁそうなら、あんまり人間性に深く切れ込むってとこまで手が回らないかもしれないね。どうもGyaOのレビューを読むと原作は社会人編もあるらしくて、それはアニメではカットされているらしい。打ち切りってわけでもないんだろうけど、この世界選手権あたりで一応の決着をつけるんですかね?。