true tears 第13話「君の涙を」

 あ〜、結局乃絵の涙は見ることが出来なかったな。
 何から書いていいのか迷う。まぁ頭が回らないし、視聴直後感ってとこでとりあえずは勘弁。やっぱりかなり込められている事は多そうなんだけど、一気見だしな。でもまぁ一話ずつ丁寧に見てもボロボロこぼすところは多そうだが。
 最終回ってことで、心とは裏腹のウソが多かった。わかりやすいのもわかりにくいのも含めて。もちろんどちらにも解釈できるってのもあると思うが。あと、乃絵が涙を流さなかったことで彼女が兄のいう通り強い人間であることが窺えた。そういうところもふまえて、彼女の台詞もどこまでウソかホントかはわからなくなった。眞一郎が最後までヘタレだったのは予想通りだったが、まぁ女は強しってトコですかね。あ゛〜、しかし最後まで眞一郎が乃絵を選ぶかどうかわかんなかったのはスタッフの勝利だろう。客観的に見て乃絵とくっつくという選択はどう考えてもありえないわけだが、眞一郎が底抜けのヘタレなので、ヒヤヒヤしたよ。松葉杖で歩き去る乃絵に向かっていつ駆け出すかどうか心配だったぐらいだ。もちろんそういう展開になった所でちゃぶ台をひっくり返すぐらいに激昂するよ!。まぁどっちに転んだとして、このシーンをネタに盛り上がれるだけのものをちゃんと用意しているってのが感心。
 しかも最後は乃絵に友達ができたというエピローグでポカーンですよ。あれだけ孤立して話題になっていた乃絵が何事も無かったようにフツーの女の子化していたわけで、そりゃ雷轟丸の墓の前で立ち尽くし、いかにも何か克服しちゃいましたって描写でしたケド、終わってみれば「なんだったんだ、この騒動は?」という余韻が残る。途中から雷轟丸と地べたの寓話はミスリードっぽい気がしたので、意識の埒外に置くようにしたが、なんかそうすることが正解だったような気がしてならない。
 さて、全体を見渡してみて、やっぱ構成の緻密さに驚く。うーん、どういったらいいのか、あまりに緻密過ぎてかえって自分は全然泣けなかったんだが、台詞の削ぎ方が独特。そこまで集中して聞いてもいないのだが、関連を把握したらかなりすごいことになりそうではある。特に面白いのが主題歌のタイトルにある「リフレクティア」。相手に伝えているつもりの台詞が実は自分のことを言っているという、ブーメランみたいな用法が多くて参った。自問自答なんだよな。それが、乃絵の言っていたように、本当は無意識にはわかっているのに自覚的ではない若者特有の気質を表しているのかもしんない。
 さて、あんまり長くてもアレなんで、ボチボチ切り上げるのだが、とにかく構成というか脚本は練り上げられているようで、噛めば噛むほど味わいが出てくる出来だと思う。で、音も絵もクォリティは高い。止め絵もそうすることが目的のような使い方もあったような気もするが、実は動画の製作が遅れていたんじゃね?という気はした。まぁさすが話題になるだけの事はあると思った。だが、この作りでは富山が聖地巡礼の対象にならなかったのもわかる気はする。スタッフもご当地を盛り上げることにそんなに気を遣っていたわけでもあるまい。うーん、名作あたりの実力はあるんだけど、自分的にはやっぱりおもろ+の評価だ。いわゆるアニオタ向けの萌えはなく、パンチラにしても萌え記号にしてもさりげなく挿入されていて、そこらへん一般人が視聴して眉をひそめるような表現は極力避けられていたと思う。女性がシリーズ構成をやっているだけあって、F1層が見ても十分ドラマと張り合える…少なくとも昼ドラと同レヴェルの支持は得そうなんだが、やっぱ幅広い層に受け入れられて好評価を受けるのはかなり難しいよなぁ。