キミキス Ronde de Princesse。
最終話がこの上もなく駆け足だったよな。いちおう第3期の大テーマは“友情”なのかな?。OP動画でタバサが才人に体を預ける描写があって、仲良くなるんだろうなとは思っていたが、まさかその処理を最後の最後に持ってくるとは思わなかった。で、えーっと、三美姫というのは、第1話の感想でルイズとティファニアとあと一人という予想を立てていたのだが、最終回からするとアンリエッタとシャルロット(タバサ)と、王位継承第二位となったルイズみたいで、これも大外れ。
ちょっと順番はメチャクチャになるが、思いついたことをつらつらと。この作品において、貴族だけが魔法を使えるという設定だったのだが、ちょっと混乱したなぁ。魔法は貴族の持つ権力のメタファーだと思っていたんだけど、それなら貴族を示すローブを返上した時に魔法が使えなくなっていてもおかしくはないのに、ちゃんと使えてた。最終回ルイズが魔法を使えなくなっていたのも自信がなくなっていたからで、タバサのアテ馬行為で復活したことを考えてみると、別の要素と考えざるを得ない。
確か第1期で貴族は平民を守るとか何とか言っていたような気がするが、平民は別に他人のことを考えないで、自身の生活の安息だけを求めていればいいということにもなるわけで、貴族は下々のことを考える義務があるということなんだろう。そのノブレスオブリージュを果たすための手段として魔法が付与されていると考えると、タダの権力というものではないらしい。そこからは一応私利私欲が除外されているべきなんだろう。貴族の地位を捨てても、他人のために行動しているから、理由が私利私欲でないせいか大体使えていた。最終回魔法を使えなくなるのは、タバサが才人に好意を寄せて、ルイズが嫉妬したときだった。かといっても、ルイズが復活したのも才人を人に取られるのが嫌という描写であったから、なんとも判断し辛い話である。ルイズが自分のわがまゝのせいで才人が離れていくというのを自覚して、反省した結果、私利私欲の範疇を逃れて公共のために魔法を使えるという理屈付けになったと考えることも出来るが、苦しいな。ルイズ自身タバサを救うために精一杯努力をしていたしな。とにかく魔法が何のメタファーもしくは記号かということを深く考えないほうがいいのだろう。
第1期はともかく、第2期が反戦という立ち位置がはっきりしていただけに、ちょっと今期は散漫になっていたような気がしないでもない。もちろん友情というラインにはキッチリ沿ってはいるのだが、ティファニアが魔法学院に受け入れられてからはメインストーリーからフェードアウトしてなんだかなぁといった感じ。OPで思わせぶりに顔見せしていたイルククゥも、粘った割にはあっさり種明かしして流したように感じられた。まぁ引っ張られても困るといえばそうだが。ティファニアエピソードとタバサ救出エピソードを両方こなすってのがしんどかったのかね?。終わって見て2大エピソードの合体と気付いたぐらいだし。だからといって片方のエピソードを12話かけてやればいいのか?と言われると、それもまたキついわけで、ここらへんなんとも難しい所である。
今回気付いたのだが、トリステイン王国って今のベネルクス三国の位置なのね。ゲルマニア・ガリアはそのまゝドイツ・フランスということらしい。うーん全く仮想だとおもったんだけどなぁ。
というわけで、今期はパンチが足りない感じがした。ここまで来たら第1期・2期の視聴者対象で、新規視聴者はあんまりお呼びでないという方向でいいと判断したのかな?。Amazonのあらすじだと今第10巻ほどで、今回のジョゼフ王の企みや虚無の魔法の謎など、回収されていない伏線を残したまゝ、また才人のお相手にルイズ・アンリエッタ・シエスタ・ティファニアだけ(!)でなく、タバサも加えているわけで、アニメも第4期があるということなんだろう。第2期あたりは、戦争というイベントを通じて、命の重さを盛り上がりのスパイスに出来ただけに、感情をそれなりに揺さぶられたのだが、どうも今期はキャラクター達の決断も軽いものに感じられて残念だった。始まったときには、おもしろいだろうという予感があったのだが、思ったよりはあっさりしていたかな。慣れたのかね?。感想自体は毎回書けなくもなかったような気はするが、たいした言及は出来なかったと思う。視聴者としての自分にも問題があるのだとは思うが、今のところおもろぐらいに感じている。
追記
キーワードを含む日記(今、様式が変わっている。使いにくい。)巡りをしてみた。かなり不評だな。王位継承権は、王族になれば国を背負うことになり無茶な行動を慎むかも?という狙いと、王族なら意思疎通がしやすくなるとの目論見があるのだと思う。が、ルイズの行動を制約するという理屈付けをしても、罰とは程遠いよなと。他の貴族は黙ってないと思うよ…。
あ、あとロンド形式って、A→B→A→C→Aと、メインの旋律(パン)Aの間に他旋律をサンドイッチの具のように挟む構成のことを言うらしい。ルイズをサンドイッチのパンとすると、ティファニア・タバサを具として挟んでいる形になるので(アンリエッタもか?)、そういう意味では三美姫は、ルイズ・ティファニア・タバサとなるのかもしれない。