ちょこッとSister 第24話「ハッピー・クリスマス」

 最後までやられちまったよ。
 黒電話でやりとりしていたネーちゃんの正体に、ちょこの胸のアクセサリーがアップで映されるまで気付かなかったですよ。なるほど、それでプレゼントの循環ですか。ささやかなプレゼント、ささやかな気遣い、ささやかな生活、ささやかな幸せ。
 視聴候補に入れるかどうかでOHPを訪れたときには「このあざとさをなんとしてくれよう」と落選に近い扱いをしておりました。それがなんで視聴し始めたかというと、GAる〜んのダンスが世間では大受けで、他の作品のキャラクターに置き換えたイラストがおお流行りしており、その背景に使われていたテープ「KEEP OUT」の由来を調べたからなんですよ。当初はイラスト群がGAに由来するとわかっていなくて、あのテープがこの番組のぼやかしに関係があるのかと思って視聴をはじめたのがそもそものきっかけ。はっきり言って、そういう疑問が沸き起こんなかったらこの作品を視聴していなかった。不思議なもんです。OHPのトップページのイラストを見て「これは受け付けない」と思っていたぐらいなんで。
 それがなんですか、こりゃ。こんなに毎回泣かされ、唸らされ、次回を楽しみに待つようになったのは。わからんもんです。他の感想サイトさんによると、オリジナルストーリーも混じっているらしいのですが、構成として全体がよくまとまっており、全然違和感を感じませんでした。まぁストーリー構成、脚本とも原作者がやっているんであたりまえといっちゃぁあたりまえなんでしょうが…。ちょこにはいろんな役割が背負わされていると思うのですが、最終回まで視聴してやっぱり妹というよりは子供というのが大きいように感じた。ほら由来からしても、天からの授かりものだし。登場人物達の肩肘張らない生き方、決して贅沢が必要でない生き方に心穏やかさを感じる。懐かしいようで、かといって懐古主義ではなく、新しさが感じられるといっても新奇さを主張したものではなく。昔の生活から商業主義に陥らずにゆっくりと時代が進んでいたとしたら、今この時代はあのような世界になっていただろうと自然に思わせるものがある。バブルもないが、その後の失われた10年もないとしたらきっとはるま&ちょこたちの棲んでいる生活になっていたに違いない。一部のものが欲にまみれて周囲を振り回さなかったら?、とどまることを知らないグローバル化の進展がなかったら?という仮定の世界がここにある。
 主要キャラは特に構ってちゃん傾向が強くてなんだかなぁなんですが、別にそれが鼻につくようなこともないのはおもしろかった。あからさまなツンデレキャラはアニメという架空の物語の中であってさえもウザいことこの上もないと感じてしまうぐらいの私なのだが、そういう腹立たしさは全然感じなかった。たしかにゆりぴょんはそれが意識されてはいるのだろうが、まさに子供心理に則って語られていたので自然に受け止めることが出来た。というかこの作品はそういう作品だからな。キャラたちの成長にもそれまでに語られたエピソードが多重に作用しているように作られているのにも感心だった。珠玉の作品というのはこういうのを指すんだろうな。さすがにこれはアニメに寛容な層にしか勧められないので名作以上に出来ないのが心苦しい。おもろ+だが、自分的な評価は凄く高いんですよ。また続編をぜひ作っていただきたい。実はヤングアニマルでの最新話を読んでしまって大後悔。ああいう展開になるのか!。スタッフの皆様方はとにかくお疲れ様でした。