[スターシップ・オペレーターズ]第13話「モーメント・オブ・トゥルース」初見

 後半を視聴した後、もう一度通して見てしまいました。泣きのスイッチをうまく入れているなとは思いましたが、今までの描写が冷静だったせいかあざとさは感じませんでした。これから何回か見直すと評価も変わるとは思うのですが、なかなかいい最終回だったと思います。ついでに言っておくと、全体評価も私的には高かったです。スタッフの皆さん、初回からずっと思っていましたが、厳しい制約の元このような作品を見せていただいてどうもありがとうございました。
 初見だけでは気持ちが収まらないのでつい2回目も見てしまいました。今でさえ、いろいろな感想が頭の中を巡っています。考えるポイントを今までいろんな視点で書き散らしていたので、いろんな思考が浮かんでは消えしております。思いつくままを書いてしまうとネタがすぐ消えてしまいますので、少しずつ考えていくことにします。しかし、それだと折角浮かんだきっかけを忘れてしまうことになりますので、やっぱり思いつくまま書き散らすことになるとは思います。そのうち落ち着いてくるでしょう。本当はメモでもしておいて、まとまりがつくまで寝かしておくのがベストなんですが。自分をコントロールできていませんね。しかし、このサイト自身が私の備忘録みたいなもんなのでそこんところはご勘弁を。
 今日は全体を振り返って特に問題ありと考えていた2点について考えてみたいと思います。

  • サンリの告白でアマテラス乗員の求心力が高まったこと。

 そもそも煽動的立場にいた人間は別として、アマテラスに残った若者はほとんどノリで残った連中が多いという描写でした。当然現代日本の若者に重ね合わせていると思います。享楽的とは言わないまでも刹那的に生きる傾向が強いことはこの前の国家間の調査にもあらわれていました。結局、そんな乗組員の成長を描くことが一つの課題だったといえます。だからサンリの告白程度で残っちゃう連中であることを初めのうちから明らかにしておく必要があったのだと思います。イマリ・ユキノの発言からも窺えましたが、やはり代表はタカイ君でしょう。最終回でシメイを連れ戻す勢いだったのをキスカに止められて我慢するというのも一つの象徴です。前回あれほどキスカにくってかかっていたのに、自分の感情を優先させるのではなく状況を判断しておもんぱかるという描写でした。「お察しください」ということがわかるようになっている。つまり、何度も困難な状況を苦労して切り抜け、経験を積むことで若者が成長する姿を見せているわけです。初めから冷静に対応できるなら、そもそも物語として成立しない。

  • レンナ・機関長の死はあざとい。シノンがそれに関してあっさりしすぎなこと。

 一通り見て全体像を把握してみると、どうやらシノンは主人公というよりは狂言回しであるらしいということが判ってきました。もちろん感情の揺れ動きを描くこともアリだとは思いますが、そういう描き方をしてしまうと常に状況を勘案して冷静に対処する役割にはそぐわなくなってしまいます。狂言回しといえどもヒロインなので人間的な困難を背負わせる必要はあると思います。取り乱しているのになぜか対処したことがうまくいってしまうことのほうがより御都合主義的のような気がして、このような描写も大いにありだと思っています。他の物語や現実でも、表面上はとても明るいのにつらい過去を背負っていたとか、物静かなのに内に激情を秘めているとか、人間描写としてはいくらでも考えようはあるわけです。ただ詳しく描写するには尺が全然足りない。視聴者の想像にお任せしますってところじゃないですか?

 そんなわけで、自分でもおやっと感じたことではありますが、おかしい描写でもないなぁと思い直しております。今のところは。