第12話「ウォー・クライ」その5

 今回はマスコミの扱いがあまりありませんでした。思いつくのはアマテラス突撃の場面でディータに報道を控えてもらう場面、連合艦隊登場時のいまさら発言の2つぐらいです。マスコミのあり方に関してもう少し深く掘り下げるつもりなら、次回の結末に向けてもう少し描写があってもいいとおもいます。無いということはあまり重要視していないということでしょうか。どのように報道の影響を受けても、結局事態を変えるのは当事者のふんばりであるということなんでしょうか。
 スパイクスがレバントの動きに関して情報を誰かから受け取っていたことから、もしかして王国側とスパイクスの間になにか取引みたいなものがあると勘ぐっていました。イザベルが策謀をめぐらせて王国の実権を握る手段の一つとして王国の情報を渡していたのかと考えてみたことがありましたが、どうやらこれはないみたいです。単に王国内部の誰かにリークしてもらえる人物がいるだけなんでしょう。
 あと、気になるのはスターシップ・オペレーターズ世界でのスターシップ・チャンネル視聴者の姿が描写されていないことです。これは物語世界での視聴者と番組視聴者を重ね合わせるギミックかとずっと考えていました。擁護集によると、小説では物語世界の一人の視聴者の視点から物語が始まっています。物語世界の視聴者がアマテラスに対して何らかの働きかけを行うのも展開としてはありだと思いますが、ここまでくるともう可能性は一つぐらいしか考えられません。スターシップ・チャンネルの視聴者がアマテラスを救うためになんらかの投票(支持)行動をすることなんですが、これも可能性としてはあまりないような気がします。視聴者を描かないことで効果的に何かを訴えることができるとか、もしくは最後に視聴者を描くことで同様のことができるというのであれば、スタッフはそうするのでしょうが、そんなものはないような気がしてきました。というよりどうでもいいといったほうが近いでしょうか。もともと尺が短いのでスターシップ・オペレーターズ世界での視聴者なんて描く余裕がなかったのでしょう。
 マスコミのあり方に関しては、取り扱いがフェードアウトしているような気がします。結末に向かって、戦闘の描写もなさそうですし、むしろ政治的な結末、乗組員たちの結末(その後)が主題になってきていますので、こむずかしい閉じ方はしないと思います。あったところでスパイクスやディータのその後、スターシップ・チャンネルがアマテラスへの支援を今後どうするかぐらいだと思います。
 そうはいっても最終回でどうなるかわからないんですけどね。脚本にキャラ立て関連のサービス精神はあまり感じられませんが、取り上げた主題の解消については気を遣っていると思うので、最終回であっと驚く展開を見せてくれるかもしれません。