にごりり#22

 主人公もコスプレをやってしまう話。かなり話がまとめの段階に入ってる模様。主人公カップルのイチャイチャ具合、主人公をめぐるハーレム構造、レイヤー仲間でのオトモダチごっこ、これがストーリー全体の軸だったらなんじゃコレだったと思うが、ちゃんと今までコスプレをネタにクリエーターと消費者の関係性をねっとり描いてくれてたので、客寄せパンダ要素がこの段階で提示されても特に忌避感はなかったな。

冥土様#9

 学園祭のドタバタ。生徒会長兄妹のネタが新規投入されてたけど、正直ピンとこないな。結局戯れてるだけなんでこんなエピソードに付き合わされるのがタマランといったところ。作品全体を眺めると、ギャグなのかシリアスなのか、どっちつかずのところが機能してないと思う。うまくこなれていればバランスが取れてる…となるのだけども、この作品の場合取っ散らかってると感じてそれぞれのシーンでどんな態度で視聴したらよいのかわからなくなってしまう。

その治癒師#9

 魔物が襲撃してきて倒しても倒してもキリがないという話。まーたスタンピードかよ…。それを引き起こす過程が示されないから(なんか次あたりその答え合わせが来そうだけど)、読者としても唐突に感じるし、当然困ったときの便利要素程度にしか思われなくて何とも。今期期待外れな作品が多くてがっがり気味なんだけど、それらに比べてまだ見てられるんだが、タイムスケジュール通り展開させるのに精いっぱいで単調に話が進んでいくのがどうにもいただけないかな。

マジルミエ#9

 前回からの騒動を、現場に居合わせた人たちが協力して何とかする話。もうこの話がIT業界を下敷きにしてる設定なのは間違いないと思うけど、こんなキレイごとの世界だったっけ?wwwみたいな。蛆通とかNECとか大手が、自分とこでプログラムを作らずに下請けに丸投げして上前をハネるって構造が長らく続いてたから、こんなのウソっぱちやろぐらいにしか見えんかった。今回メガネ君のトラブルも、マシンスペックというより生成されたプログラムを魔法少女に転送する際の帯域不足みたいに感じられたし、そこかしこにストレス要素が見受けられて落ち着いて視聴することが出来なかったという。
 この作品が、IT業界なんてロクでもないんだけど、こういうキレイごとに仕立て上げました…というのを視聴者が「ネーだろwww」って苦笑しながら視聴するアイロニカルな作品ならまだ見どころがあるけど、そう受け取ってくれる視聴者は少ないだろうねwww。今回の@石田彰のキャラの台詞を聞けば割とそういう作品なんだろうなと分かりはするんだけどね…。

デリコス#13

 すべては吸血鬼の神のための退屈しのぎの狂言でした…で〆。結局貴族である主人公達も、対立組織の敵キャラも全員が神の退屈しのぎの駒でしかないんだけど、主人公達は普段から贅沢な生活を送れ、結婚もでき、子供までいて、その子供を職場に連れてきて仕事と両立させることもできるという極めて優遇された状態だし、超格差社会というか、文字通り階級社会なので、さすがにこの作品がイケメンたちが子育てしてエライね…という作品ではないと大抵の視聴者には分かったのでは?。敵キャラにしても生き残った少女もおネエ言葉も、自分達がどういう使われ方をしていたのかわかってなかったみたいで、能天気に主人公の子供たちを甘やかしていたわけだが、とんだ愚か者だったね…だし、たとえ踊らされていただけだったとしても結局正しかったのは神の気まぐれで絶滅させられた村の生き残りである仮面の男ただ一人だけだったのに、彼は、まぁどっちにしろ最終目的を果たすことはできなかっただろうけど、いろんな場面で協力関係にあるキャラ達に邪魔ばかりされてたわけで…。なんともうら悲しい話ではあったという。
 うーん、自分は中盤以降からそういう作品なんだろうなと気づいたけど、あの絵柄で初期の展開だったらイクメンたちを絶賛してみてた層がかなり居そうなんで、この最後の閉じ方をどう思うんだろうなというのは気になる。最後まで視聴して自分には腑に落ちる所があったけど、最初の段階で見るのを辞めた層もいるだろうし、子育てマンセーの立場で視聴してた層は最後に冷や水を浴びせられたと感じるだろうから評判が良くなるとはちょっと思えんワナ。
 思えば、シェークスピアはその数々の戯曲において、貴族制度を舞台にすれば業の深い物語を作ったり、下層民に喋らせれば下品な言葉で世相を強く批判してたわけだが、現代だとそういう全編ストレスフルな物語を受け入れる能力が低い人たちがたくさんいるからクリエーターとしては何ともしんどい話ではあるんだろうね…。