アストロノオト#3

 弁当が云々…。ようやく自分の中で落ち着いてきた感じ。ただ、主人公が探す鍵なる存在に対するミッションがどうでもいいのと、ラブコメ要素のスラップスティック的な要素がイマイチ自分にはフックしないかな。というか鍵捜索ミッションは物語上でもとってつけであって、この作品の伝えたいことはもっと別にあることがわかるので、これはこれでいいとは思ってる。スタイルはずいぶん違うけど変サラと同じカテゴリーだとは思うが、変サラのようなカラッとした部分が今のところ自分に合ってる感じ。


謎の彼女X#1~13

 Youtube水着回の選抜シーンを見て、そのまま全話視聴してしまった。植芝作品というとディスコミュニケーションが有名で、自分もアフタヌーンをちょくちょくチェックしてた頃はついでに読む感じだった。だいたい背景がスチームパンクっぽいというかおどろおどろしい印象があって、なんかガロにでも載ってた漫画っぽくはあったのだけども本作は現代の日常性が濃くて思ってたのとずいぶん違ってた。まぁアフタヌーンは自分も毎号欠かさず読んでいたわけではないし、そのうち漫画雑誌をチェックすること自体やらなくなってしまったからどうにも。原作の連載当時、漫画のチェックをやめてたわけではないけど、アフタヌーンは手を取らなくなってた頃かも。
 謎の…とはあるけど、外形的には通常やらない行為だったり態度ではあるんだけど、かなり最初の内から不思議なことに不自然さはなくなってしまうし、その謎の行動などもちゃんと理由が考えられてそうしてるのがわかるので、いいスパイスになってる。よだれを舐めさせる行為も、最初にやれセックスだのとか前振りで言われるもんだからそのメタファーかと思ってたんだけど、むしろ強度としては逆で、おそらく間接キスよりは濃いけど、直接のキスよりは淡いそういう中間の関係確認行為なのだと思う。
 内容はシンプルなボーイミーツガールものだと思うけど、なんやろ?、おそらく自分が高校生だとか若いころにこの作品を読んでたらピンとこないままシュールさだとかサブカル作品としてどこかメイン足りえない作品としてとらえてたと思うんだけども、物語としてのパワーが強いというか、人としての素直な感情がこんなにも力強いなんてことを思い知らされることになった。毎回毎回ではないんだけど、平均すればそのくらい胸が締め付けられるような強度で泣かされるので、あれ、植芝作品ってこんなだっけ?と印象が覆される思い。
 主役とでもいうべき@吉谷彩子、聞かない名前だと思ったら三次ドラマが生息地の女優であって、声優自体の経験はほとんどなし。演技自体は俳優が声優をやった時の印象そのままであって、声優本業の人がよくある過剰演技がないあたりフツーの女の子というものが表現できてて個人的にはよかったのだけども、OP・EDも担当しててどこか大貫妙子を彷彿とさせる歌い口がどこか懐かしい感じがした。ところどころ声が揺れるんだけども、それで音程が崩れるわけでもなく、かといって歌手本業の人が聞かせどころで歌のうまさをひけらかすようなところが無くてすごく聞きやすい。
 公開が2012年らしいけど、なんつーか最近「強い女」を描く作品をめっきり見なくなったなぁとは思っていたので、こういう昔の作品によくみられた、強い女…というより、懐が深い女性キャラを見るとどこか懐かしい感じはする。昔も今もこういう女はいたしいると思うんだけど、昨今メディアに露出する女というのは欲に駆られて目先の利益にしゃぶりつこうつする浅ましい姿をさらしてることが多いので、なんかぼんやり、だからこそ強い女を描く作品がそういう世相を反映して少なくなっているのかもなぁと思った次第。