友崎#12

 前回日南にキレられ喧嘩別れになったのが、よりを取り戻す話。うーん、程度問題ならあんま見る価値ないよな…といってたのが見事嵌った感じ。というか原作は既にこういう結論になっていたはずなのでなんとなく読めてた流れ程度なんだけど、ただ、正直なところ社会に過度に順応するもしくは我が道を征くのどちらかの両極端に振り切ることができない以上、まぁこうならざるを得んよなという結末ではある。というか、原作は続いているようだから、アニメとしていちおうちょっと改変してこういう結論にしましたという形なのかも。
 日南が相手の土俵で勝ちに行くストロングスタイルというセリフはあまりにもミスリードというか、そうじゃないでしょとは思うんだが、彼女に最初人生は神ゲーとまで言わせてたのに、この最後の最後でやりたいことなんて何もないと言わせてるのなんだかなぁといった感じ。まぁよくあるアンケートでどの教科が好きかというのがあるのだが、重要なのはその理由で、よくあるのがその教科が得意だからみたいなのを結構見かける。日南のあり方は典型的なそれで、最初は不安も、もしくは嫌悪感まであったとしても、やってみたらチョロかったから、俺TUEEEEできるそれが好きみたいなのは、まぁ導入としてはそれで構わなくっても、少なくとも高校大学生ぐらいになればもうちょっと好きな理由を内面化するなり割り切りをしとけよ…と思うわけで、まぁ日南は割り切りタイプと見れなくもない。ただ、前回あんな喧嘩別れをしたのであれば、フツー友崎が言を尽くしてもCOされるハズで、ただ物語上の都合というよりは日南が友崎になにか期待するものはあったという描写が前回あったから、最初はゲームに勝てない友崎にマウンティングを取りたい一念であったとしても、心のどこかで友崎に無間地獄のような社会への順応から自分を救い出してほしいという期待があったのかもという気はしてる。
 今回よーできとるわと思ったのが文学少女に、日南に指南された恋愛工学ノウハウを肯定してもらってたこと。個人的には予定調和であってメッセージとしてはちょっとな…という感じなのだが、断交状態にある友崎と日南を取り持つ形になったのが、なんと日南に友崎を向上させる道具扱いされてた菊池であるという構図がなんとも鮮やかといったところ。日南や水沢が明確なACであるのと、友崎がそこから隔絶した人間というその中間に若干AC気味の菊池がグラデーションとして入り込むのも物語的にはなかなかよくできているとは思った。
 友崎に恋愛感情を持たせてないのはまぁ主題がボケるからだとは思うのだが、それでも後日譚のような流れで、相変わらず自分の気持ちを整理せず菊池とデートし続けるとか、リア充でのつきあいが描かれるとか、いろんな矛盾を抱えながらも僕の日常は続いてくって感じで、こうなんともスッキリしないというヒキなのも今ドキのストーリーらしいと言えばらしかった。個人的にはもうちょっと言いたいことははっきり言ったらいいのに、それでもなんとかいろんなイシューをまとめ切った形にしたのはよーやるわって感じ。どうしても「中途半端な僕を肯定して欲しい」という読者向けに書かなきゃならないんだろうな…みたいな。