変好き視聴した

 7月期のアニメを消化するかと思って選択してみたが、最初の頃は単に変態プレイと萌えアニメを組み合わせただけかと退屈してた。ネタもよくあるものを引っ張ってきただけだろうし、正直失敗したと思っていたのだが、状況が変わったのは中盤。
 主人公に匿名のラブレターが送られて、その差出人を推理するミステリー仕立てというストーリー構成になっていて、実はその犯人探し自体はそれほど真剣でないのだけども、それに協力してた主人公の親友のことが好きな脇ヒロインのエピソードでちょっと視聴態度が変わった。主人公はその脇ヒロインのためにキューピッド役を引き受け(させられ)るのだが、おそらくここで語られているのは「人と真剣に向き合うこと」であって、なんか萌え作品にしては珍しく直球勝負に出てきたなと感心してしまった。
 話が進むにつれ、メインヒロインでありながら担当回がなく、他のヒロインは性癖が明らかになっているのにそれが明かされないので、差出人が誰かだいたいわかるようになっている*1のだけども、クライマックスに入る直前まで自分も予想を外されていたのでそのへんなかなかトリッキーな感じ。
 結局視聴し終わってみたら、結構湿っぽい話なのに割と爽やかな雰囲気もあってなかなか侮れないと思った。ただ最初からの数話は見てられないのでそれを乗り越えたものだけが果実を手にするって感じなのがハードル高い。あと、このタイトルの「可愛ければ」という命題に対して反語的なメッセージが込められているように感じてしまい、なんのかんのいって原作者ただ者ではないという印象を受けた。まぁタイトルからしてどう考えても安易な作品だろと思うしかないのだが、それなりに人気があって、追撃戦として売上を少しでも伸ばすためにアニメ化されたのだろうから、見どころがあって当然ぐらいに予想しとかないといけなかったのだろう。
 あと、配役としてはまさに下野紘のはまり役といったところなのだが、昔の弾丸トークっぽい勢いは失われてちょっとした重みが感じられるのが個人的には面白かった。

*1:ラブレターに添えられてたパンツをシンデレラの靴に喩えていたので、ではこの作品でシンデレラの役割を演じているのは誰か?でもわかる