新番組

  • 俺好き 初回は物語がダイナミックで好印象。今期新番では期待度高めなのだが、ちょっくらチェックすると金賞作品で、原作者が脚本担当でまぁ大外しだけはないでしょといったところ。
  • けものみち 原作者がこのすばの人なので、これもまぁ途中で減速はないでしょといったところ。
  • 慎重勇者 かけあいが軽妙で印象は悪くない。要素の強弱と進行の緩急で飽きさせない感じなのかな。
  • 超余裕 正直お腹いっぱいな感じの作風や設定*1なのだが、逆にそれが異世界転生モノの傾向を考えるよいきっかけとなった感じ。
  • ぬるぺた 様子見。ほんわかした感じなので抵抗感はないが、大きな期待もない。ショートアニメなんで多くを期待しないほうが吉かもなのだが、主人公の状況がそれなりに気を惹いたのでやみくもに切るつもりもない。


 今期は本数を貪欲に増やそうと思ってる。最後まで視聴したいが付き合いきれない場合は切る予定。なので続報は律儀にはしない予定。


 さて、本数稼いでやはりといった感じだが、異世界転生モノが多い。自分、そういうのは現実から目をそらしてファンタジーに逃げんなよと今まで思っていたのだが、最近ちょっと考え方が変わった。それというのも、おそらく出版社の編集もきっと呆れているのだと思うが、これだけ雨後の筍のように異世界転生モノが事実としてきっと売れているのだろう。では、なぜこのようなものが売れるのか?というのをつらつら考えてみると、結局の所それは現実社会に対するある種の拒否反応とでもいうべきものが世間の傾向としてあるんじゃないかと思い至ったのだ。
 最近の日本の酷さといえば、やはり大きさとしては小規模なんだが、世間に大きな衝撃を与えたものに「池袋・飯塚プリウスロケット殺人事件」が何気にターニングポイントなのだと思っている。あれで上級国民の存在が可視化されたというか、日本国内の上級国民とそれ以外の二重構造なのがはっきりしたのではないかと思っている。もちろん日本が壊れているのはアベモリカケ不正関与事件や甘利贈収賄不起訴事件なんかもあって、それなりに周知はされてきた。が、実際に一般国民が殺されて、誰が見ても犯人であるものが逮捕すらされず長期間野放しなのは異常というしかない。さすがに新番アニメの製作に影響したとも思われないが、最近でもフクイチ核爆発東電経営層無罪判決事件や、関電汚職事件など、それでもまだ政治屋の理不尽に行政・司法も振り回されて大変だねぇといった要素が、これらの事件で行政・司法もべったり関与していることがはっきりし、跡形もなく吹っ飛んでしまったことは結構大きい。
 日本も成長期をとっくに過ぎ、停滞期を迎えていても、それでもなんらかの希望が持てるのであれば、まだがんばろうという気にもなるのであろうが、今の日本は理屈どころか道理すら通らない状態。ならば、理屈の一つでも、道理の欠片でもありそうな仮想世界を夢見るのは当然というもの。割と異世界転生モノは、現代技術を移転してそれが功を奏してなにがしかの成功を得るものなのだけど、それが異世界ではチートと称される。だが、そのチートは現代では実は当たり前に使われてきたことであって、とはいえ、今の日本は「あたりまえのことをやってもそれがまともに機能しない」という状態。だから、あの異世界に移転されるチート技術とやらは、現代社会を成り立たせている基本的な技術が再確認されるというある意味での「儀式的行為」に過ぎない。たとえ具体的に提示されるそのチート技術が今の日本にとってはそれほど重要な機能を果たしていなくても、あれは結局象徴的に扱われているだけであって「現代では当たり前のことを当たり前に適用しないがために機能不全を起こしている。なぜなら当たり前の技術は他の社会に移転すれば人々を幸福にしてくれるから」という提示になっている。そしてキャラたちが転生する異世界は今の日本とは違って(というかちょっとズらして)なんらかの理屈や道理が通用する社会になっている。要するに今の日本はすべてが壊れている社会であって、異世界は日本よりはマシな社会になっており、キャラたちが異世界を救う姿を通じて間接的に日本を救うという構造を提示しているという、極めて屈折した構図になっているわけだ。
 あと、この現象の戦犯は旧民主盗の消費税増税決定も大きい。あれで結局「(旧)民主盗も結局自民盗と同じ」と認識させた。ブ※で「自民盗は民主主義*2を、民主盗は代議民主制を壊した」と書いた通り。国民にとってはどちらに投票しても結局消費税増税されてしまったわけで、今の選挙のありようは民意が全然反映されないものだとわかってしまった。投票行動に限らず、今の日本に積極的に関与することはすなわちすべて徒労に終わる、ならばそういうムダなものには関わらず自分は自分で勝手に好きなことをやるという、小市民としては極めて現実的な判断をしてるということになる。異世界転生ものが現実から目をそらしているといったところで、その現実自体が理屈も道理も一切通らないクソなものである以上、その現実は夢を仮託するだけの価値がないものという判断をしてるというなら、あぁそれは全く正しいというしかない。
 なので、異世界転生モノ、流行るには流行るだけの理由が、まぁここにきてはっきりしてきたねっていうのがその理由。異世界が現実逃避のドリーム世界であっても構わないし、現実日本よりは少しマシな程度で何らかの解決策を示すもよし、また転生先の異世界もクソな世界として日本のメタファーにしてもよしで、そのへん割とガラパゴス的な広がりを示しているのはある意味日本的であるとすら言える。

二期組

 僕勉とこの音だが、続編は続編でも変則2クールものであるせいか、つながりが全然自然で素直に視聴できたってぐらい。僕勉のほうはワンクッションおいたって感じだが、この音はモロ前回の話の続きをやってたって違いがあるぐらい。特に言及することもないってところかな。

*1:高校生の医者で苦笑した

*2:個人的には日本は厳密な意味での民主主義であったことなど一度もないと思っている。ただ、自民盗は民主主義の建前ですら壊してしまった