サクラクエスト 第11話

 なんか強引だなぁ。
 龍の伝説関連が個人的にはイマイチ。今回のこの伝説が砺波地方にもともとあるものなのかどうかわかんないが、そもそも龍は大抵の地方で雨をもたらす水神*1であって、人と仲良くなる種類のものではないのでは?。あとこの地方で主旨が反対の言い伝えば二つあってというのがこれまたヘンで、しかも今いる老人が聞いたことがあるのに失われてしまってること。まぁ資料が残っていたから調査した人間はいるということなのだろうが、そもそも柳田國男が各地の民話を調べさせているだけでなく、戦後も何度か民話ブームというのはあって、地方の郷土史家とか割と仕事というか発掘作業を行って、市町村の教育委員会あたりがよくまとめていたりする。フツーに考えたら、(過去やっている)町おこしの過程でそういう掘り起しは大抵されているはずで、そこでなんで悪印象をもたれるほうの民話が残っているのかも極めて謎な展開。民話は変化するものであるというのも柳田がなんかの本で言ってたが、それはそうなるだけの理由があったんだろうという推測をしているし、ならば、龍を追い出す物語のほうをあの地方の人が、それもサンダルさんの家庭の事情から察するに、せいぜい一世代ぐらいのうちに変化して、もう片一方はせいぜい半世紀ぐらいのうちに絶滅に近い忘れられ方をしてるということになる。
 しかも龍でしょ。富山が舞台というのはキャラに喋らせてるから、こうなんていうか、水害の多い地域で龍は脅威の対象でであるが、富山だと鎮めてもらう対象というよりは、むしろ夏の太平洋高気圧からの降水が少なくて、水乞い祈願でもてなす対象だと思うんだよね。まぁ雪害は酷いだろうからそれはアレだろうが、それは龍の管轄外だろうし。
 しかし、婚活ではダメでも、その地域を楽しんでもらってリピーターになってもらうような台詞回しは秀逸なのに、駆け落ちの里とか雑なんだよな。終わってみればもともと彼氏持ちなのにフられて一時の気の迷いでこういうイヴェントに参加とか、そういう経緯でもなかったら来てもらえないだろうなというぐらいにはリアリティがあったし、結局元鞘ってのも、まぁそうそう元から伝手も何もないのにイヴェントで一発解決なんてないよねというのにも説得力があって、よい落としどころとは思ったんだけど、凛々子のドラマと偽?民話とを絡めたおかげでイマイチなところ。民話なんて放り出して、凛々子の問題は純粋な家庭の事情として別個に描いたほうが雑さは回避できたような気がするけどね。他所から来た女は信用ならないっていう凛々子祖母の気持ちもあんまり深まらなかったし、女が居つかないのはどーなのよ?という疑問をむしろ若手に言わせていたのはちょっとおもしろかったけどね〜。

*1:あとは河川氾濫の原因とか