霊剣山 星屑たちの宴 第1話

 お付きのもの、無能だろ。
 なんか人気ないようだが、気になってたので視聴してみる。もともと興味があったのは作品としての面白さが予感されたというわけでもなく、中国産のテキストをなぜ日本でアニメ化なのか?、中国で面白いとされているものが日本人の感性にウけるのかどうか気になったから。いちおう1クール終わってネットではそれほど好評価というわけでもなく、それでも2期があるらしいが、そのへんどうなんだろ?。
 いちおう0話から視聴していたのだが、基本声優による紹介なので省略。0話のみどころはほとんどないのだが、作品を見るための前知識として、九州=中国、末法思想の説明があって、これはあったほうがよいかも。といっても0話をわざわざ見る必要もなく、ネットで情報収集していたらそれで構わない。
 底本は中国のネット小説で、人気のあまりコミカライズがされて(これもネットらしい)、それが今回のアニメ化につながった模様。まとめサイトさんでの※欄では、アニメは面白くないという声が多かったが、楽しめたというレスもあり、原作小説を読んだというレスは、むちゃくちゃ面白いという感想を上げてた。ちなみに中国語しかないらしい。コミカライズで大分カットされたということだから、原作小説>漫画=アニメという位置づけかも。
 第1話を視聴した感じ、まとめサイトさんでたくさんあったつまらないという感想は自分には当て嵌まらなかった。かといって面白いか?というとそれは未知数の段階。少なくとも日本産のテキストヽの相違に興味が湧いた。
 まづ、生まれながらの英雄が好きなんだなといったところ。聖書(キリスト)もそうだが、大抵星と関連させることが多いな。水滸伝もそうだったっけ?。英雄だから大衆が見上げる輝ける存在=星という連想なのか。これはあまり日本では見かけないような気がする。あと、主人公がやたら自己主張するところ。大言壮語は日本では割と胡散臭がられるが、中国ではこういうのが好みなのかねぇ。というか、こういうのも中国というよりは大陸性のものなのかなと思わなくもない。演説とか、活発な議論ってのは西欧にもみられるし、とはいえ、大陸全体の傾向と談じるのは浅薄かも。たゞ、日本での議論ってのは、今の政権を見てると「自分の正しさを理論立て相手を説得する」というものではなく、もう形式としてゞしかなく、議論を重ねることでよりよい結論は導かれないし、もともと権力があるものが周囲を黙らせるために使われる方便にしかなってない。だから、この第1話を見て、主人公の演説を見てこれなら周囲も納得するわなと感心する一方、確かにこれを日本でやると違和感があるのはなんとなくわかった。主人公は他言しないよりよい方法を知っているんだけど、かといって彼の言説で確かに助かる人間も大勢いるわけで、解決方法をバカ正直に開示して他人に先を越される愚は犯さないという構成になっているから、テキストゝしてはよく出来ているとは感じた。
 全体を把握しないと言い切るのは危険だが、〜大会で、キャラ同士が競い合うものにしては、知恵を一番に持ってくるところも日本のアニメではあまり見かけないところ。大抵ロボットが出てきて戦争するとか、スポーツなどで互いが敵意をむき出しになるような背景を用意して、そこにルールだとか人情とか仕込んでくるのが日本のテキストの特徴なんだろうか?、これは新鮮な感じがする。中国だと三国志だとか、先ほど述べた水滸伝などが思い浮かぶが、これも大体にしろそういう戦争が背景にあるのであって、こういう知恵を主体にしたテキストが中国で人気というのはどういう流れなのかそのへんはわからない。
 あとおそらく驚くべき低予算アニメになっている感じ。作画崩壊だといってたまとめサイトさんでのレスもあったが、冴えカノみたいなのと比べると可哀想だろう。0話で正直に紹介してたが、OP・ED両方ともネットで拾ったミュージヽャン。開始早々の劇伴は宇宙旅行でもしてるかのような壮大さでハァ?といったところだが、これにはちゃんとカネを使っている模様。絵柄はコミカライズ版のに似せているだろうから、逆にハイクォリティを指向するのは筋悪だと個人的には思う。エンドロールでの作画では日本人名が多かったから、専門学校の生徒でも使って実践訓練でもしてるのか?といったところかな。とはいえ、このレヴェルの動画で崩壊といってしまうのは自分の感覚では贅沢極まりないので、正直問題ない。逆に専門学校(出)でこのレヴェルなんだったら、日本のアニメ業界の底上げってのもそれなりなんだなと思うぐらい。逆にアニメーターが多すぎて喰いあう現場になってるんだろうなという凄まじさを感じてしまうな。
 というわけで、もしかしたら文化の違いだけでも毎回新しい発見ができてしまうかもといった意味では飽きない作品だと思う。そういうのが楽しめない人は萌え豚専用のアニメがあるから遠慮なくといった感じ。文化の差をものともしないテキストの力があるかどうかはわかんないが、あればラッキーぐらいだというところで。