クロスアンジュ 第4話

 エリ8みたいな雰囲気も目指してるのかね。
 しかしなんだな、これだけ萌えアニメが氾濫しているというのに、受けるかどうかを二の次にしているかのような感情露出の大きい作品だな。そのへんやはりスタイルが昭和期のアニメを髣髴とさせる。いじめの描写も結構ダイレクトで、これがヒルダあたりの怒りにも正当性を持たせているのが面白い。そういう作品がないわけではないんだけど、相手がむかつくからというだけの理由でイジメをするのを避けている作品が多いので、これはこれで珍しくはないのかな。
 アンジュの虫発言は、会田雄次の「アーロン収容所」の裸の女兵士のエピソードが元ネタとは思われるが、彼女が本当にノーマ全員を虫扱いしているかどうかはわかんなくて、少ないけれどアンジュ自身がノーマであることを認められないが故の虚勢である可能性は感じられる。まぁそのへん絵とか設定に萌えアニメフォーマットを採用しながら、テキスト部分はやたら挑戦的なのが本作の特徴なんだろう。とはいえ、全体的に見て新しい部分はほとんどないので、そのへん判断は難しい。絵柄が昨今のスタイルでないところをみると、昭和期アニメで育ったおじさん向けのようにも思えるし、今、特にイジメ問題が深刻化している今の学齢期の視聴者層に、もうちょっと物事を単純化して考えろというメッセージを送っているようにも見えるが、いかんせんかなり前者の年齢層が高めのほうに偏っていると判断せざるを得ないんだよね。そうだとするとちょっと志が低いというか、いや、別に温故知新ってことで全然悪くはないんだけど、そのへん展開によっては、今、これを世に問うだけのものが少しでも含まれているのかどうかはちょっとぐらい期待したいところ。