クロスアンジュ 第13話

 男まで歌いだして笑いが止まらない。
 OP・EDとも変わって、もうストーリーから何から燃える展開。うーん、なんといゝますか、ちょっとこの作品を今まで舐めていましたわ。人間がマナを使うということについては、決して人間が何か物質を無から生み出すとかそういうのではなくって、あくまで人間が欲しがるものを供給するシステムは人間の外、社会システム上にあって、マナを使うとはそれをコントロールすることでしかないというのは前回語られていたことだし、そのへん割と魔法に近いものと今まで認識していた自分にとってはそこそこSFっぽくて面白い。
 まぁそれだったらなぜマナを扱える人間のほうが対ドラゴン用ロボットを上手く操縦できないかねぇとも思うんだが、そのへんはあまりツッコまない方向で。
 まだ推測の段階ではあるんだけど、アンジュの両親はアンジュがノーマであることがわかった段階では、いわゆる親子の情愛でかわいそうだからアンジュを守ってきたというよりは、アンジュがヴィルキスに適性を持つということを特別視して不測の事態を想像してなんらかの準備を進めていたのかもと思えてしまう。
 歌うという方式を取るのもなんかおかしいものがあると思っていたんだけど、機械にある動作をさせるときの複雑な認証方式だとするとそうそう馬鹿にしたものでもないのかなと思ってみたり。まぁ魔法の呪文みたいなものに聞こえてしまってハイテクとファンタジーの節操の無い融合と捕らえてしまいがちではあるんだけど。
 あともうちょっと詳しくドラゴンの設定が知りたいところ。あまり精密な設定を考えつくしてないのかもしれないけれど、人間とノーマの対比とはまた違った理屈がありそうなので、そのへんよな。
 やっぱそれぞれの要素はどっかで見たようなものではあるんだけど、組み合わせの妙なるものは大いに感じられる。おそらくアニメスタッフが自分のやりたいことをつめこんでいるんだろうけど、そういったクリエーターの好き勝手なノリが作品にも勢いをつけているように思えてしまう。スタッフが視聴者の顔色を窺いながら、安全牌だけを切っていくような作品だと、冒険部分がどうしても弱まってしまって小ぢんまりしてしまうとは思う。