クロスアンジュ 第19話

 受け攻めの役割にはこだわるんだ…。
 実は結構久しぶりに視聴。でもすんなり入り込めるもんだな。なぜかすんなりアンジュとエンブリオが出会うような流れになっているが、そのへんにツッコむのは野暮というもので、おそらく今回は女の強さ弱さ…といより強い女(アンジュ)と弱い女(その他の転んだ女共)の対比なんだろうなと。そうはいっても話は単純で、エンブリオが相手の欲しがるものを与えて操るというもの。アンジュに催眠術らしきものをかけているような描写だが、これはむしろ不要であって、そのへんわかりやすくしたってところだろう。アンジュはそれまでの経験から十分強くなっているはずなので、エンブリオの甘言に乗せられる筈はないのだが、そのへんアンジュにもよろめきや葛藤があるという描写のほうがドラマ性は高まるので、そういう表現かと。
 サンライズ作品ということで、ガンダムの要素も盛り込まれているとは思うんだが、富野ガンダムがむしろ男の弱さを描写しているのとは逆のテキストにしてあるんだろう。エンブリオに深みを与えたほうが作品の質はより高まるとは思うのだが、今のところアンジュを際立たせるために悪役としてちょっとそういう深みは持たされてなさそうな気はする。
 やっぱ映像的にもテキスト的にもチープな感じは否めないのだが、逆に割り切っているからこそすっきりしていてこれはこれでアリなんだなと思った次第。作品として何か強烈な主張があるというより、世の中を分かりやすく切り取って塊のまゝ投げてきているようで、小気味良い。