Free! 第8話

 うーん、なんじゃこりゃといった感じ。
 化けるという表現が正しいのかどうかわかんないんだけど、こうなるとは思わなかった。前回までのおさらいとして、いくら小学生でそれなりの実力があったとしても長年のブランクのあと、少々熱心に練習したぐらいで海外留学してた相手に勝てるはずもないし、勝負して結果は明らかだろうというのがあって、それでも凛の喜びっぷりにはちょっとはしゃぎすぎなんじゃね?というのがあった。遙の動機としては、泳ぎたいから泳ぐということ以上のものが彼自身にとっても“言語化”されておらず、その点なぜ結果が明らかなのに勝負を安易に受けたのかというところ。
 が、よく考えてみると、彼の性格からすると、小学生の頃に結果を残したことが彼自身にとってそれほど喜びに溢れるものでもなかったという描写から、彼が彼自身を突き動かすものについてあまりに無自覚で、というか、ヘンな言葉ではあるがもてあましていた風に見受けられる。彼自身は決して自分探しをしているわけではないのだが、無意識にそうしちゃっており、それが「負ける」ということを転機として周囲に目が向くようになり、目標や目的がわからなくてもとにかく前進していくことに意味があるのではないかということに“気付く”という展開になんかはっとさせられた。面白いのはメドレーリレーに出る岩鳶の面々を見る凛のモノローグはおそらく遙自身にも形は違えどあって、ほんでもってのヒキで終わるというところ。第8話だから、情緒面でのクライマックスをこゝに持ってきたのかな。
 とまぁなんか今まで「なんだよ、リアリティねぇナァ」とばかりに距離をとって視聴してたんだけど、こうグッと引き寄せられた感じ。次号予告だと、リレーの顛末とインターミッションのようだが、その後の展開がちょっと気になるようにはなった。