銀の匙 第17話

 結局八軒は祭りには参加できなかったのか。
 いやまぁその目で見届けたかったろうけど、手作りの祭りって、それほど満足感が得られるもんでもないし、得られたところでそれはたんなる内輪受けってことが多いからな。ヘンな話、八軒が参加して祭りが盛り上がりましたって描写よりも、こういうルートのほうがよいというのはよくよく考えられているような気がした。八軒の現実との格闘がなくてもね。観客と一体になっての盛り上がり描写とか、胡散臭いだけで。
 父との会話も、単純な悪役という対置でなくってなかなかな。八軒の獲得したものが、社会の現実にどれだけ適合するのか?ということも考えると、父親も言い過ぎていないし、でも嫌われ役は買っているしで、うまい配置。不器用ながらも息子のことを考えているように見え、でもやはり父親が悪役になるような演出は憎いとしか。