Witch Hunter ROBIN 第20話

 あゝ、なるほど。ようやくロビンが襲われる理由が明らかに。日本の道場でも、免許皆伝が巻物を受け渡されることではないように、メトセラから相伝されたってこと自体がそうなんだね。しかも、メトセラはロビンが受け継ぐに足る人間だと判断したというわけだよな。
 しかし本部がクラフトの奥義がそういうもんであるというのを知っていたというのも考えにくいんだよね。おそらくサストレは本部でもかなりの使い手なんだろうけど、そもそもメトセラがクラフトの奥義を保持していて、彼女にずっと撃退され続けてきたんだろうに。日本に派遣された段階でノーコンだったロビンに回収が可能だと考えてなかったゞろうし、ロビンからクラフトの奥義を回収したという連絡を受けたら、本部は真偽を問わず、ロビンを呼び戻せば怪しまれもしない。ロビンを殺せばたぶんロビンの中にあるクラフトの奥義は近場のウィッチ(ハンター)に乗り移るか、もしくは拡散してしまって回収不能になるように思うので、サストレはロビンを生きたまゝ拘束して本部に連れ帰るってのがミッションだったんだろうね。まぁクラフトの奥義がどんなものかを知っていたにせよ、なんか知っていたとは思われないような稚拙なやり口。
 サストレが噛ませ犬だったことで、ちょっと肩透かしを食った感じだが、亜門が舞台に出てくるようで、話は着実に進んでいると思われる。亜門はどう考えてもロビンの監視役だよね。まぁなんらかの密命をSTNJ襲撃後に受けたと考えられるが、どうなっちゃうんだろ?。最終回は亜門とロビンが番になるような気がしてたんだけど。
 で、やはり10年(以上)前に視聴したときより雰囲気は全然暗くない。ロビンが隠し部屋でぽつねんと考え込む様子はそれっぽいんだけど、今となっては自分に降りかゝってきたすべてのことについて思いを巡らし、着実に真相に近づくなり、自分なりの考えを整理しているように見える。
 いや、あと結構メッセージ的な部分もオモロイな。ロビンは自分が濫用することがないよう凪羅にクラフトの奥義を託したと思ったら、もう切り離せないということがわかっちゃったわけだろ。で、ロビンは自分がウィッチになってしまったと嘆いているわけだが、力の発揮ということではサストレもウィッチであり、要するに本部からウィッチと見なされるかどうかゞウィッチであるかハンターであるかの唯一の判断材料なんだよね。また、ソロモン本部があくまでウィッチとハンターという人間対人間という構図を大切にしているのに対し、財前のやってることは、効率化の末の異質と人間性の排除だろ。バブル崩壊後リストラの名の下どんどん人を切り捨てゝいたし、事務職はパソコンに置き換え、工場でも人ではなくロボットによる効率化がかなり進んでいたから、現に日本で進行著しい人間性の排除についてスタッフがなんらかの思うところを表現したんだろうね。
 しかし、この作品って思ったより自転車萌えなのに気付いて嬉しくなった。クルマもヴェスパへのこだわりもあったけど、やっぱり自転車の描写ほどじゃない。といってもロビンの乗車一台だけなんだけどね。