シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜 第7話

 三人娘もさすらい人なのか、ビックリ。
 いやぁ、今回もまたしっとりしてるねぇ。これで事件が起こらなければリックもパン屋として一生幸せに暮らしましたとサ、でハッピーエンディングなんだけど、さすがにそうは問屋が卸さないわな。パン屋を続けると宣言したリックに人生の転機が訪れるのは間違いないし、海岸を一緒に歩いていたアミルの安堵が壊されるというのもパターンだ。わかっていても切ない。
 うーん、今回は特に含意があって台詞をじっくり聞き込まされた。マデラとシャオメイの達観や、おそらく視聴者と同一視させるための主人公は未熟に作ってある。記憶喪失というギミックが挟まれてはいるが、進路の転換時期に悩んで結論を出すといったところは昨今の就職などの進路につながるものなんだろうか?。かなり抽象化しているようで、人生の岐路での決断って形をとっていたようで、おっさんの自分でさえいろいろ考え込まされるものがあった。リックにとってのパン屋って選択は日常の選択のようにも思えるんだが、記憶喪失を挟んでいることを考えるとむしろ仮の職業のような気がしてね、そのへんの変則性もちょっと考え込まされる。そしてリックのおそらく記憶喪失以前の持ち味であったはずの剣士もなんのメタファーなんだろ?と考えてしまう。おそらくマデラや三人娘は彼が剣士であったことを知っており、しきりにパン屋継続を勧めるからには剣士に忌避感があるってことだろうしね。まぁパン屋がおだやかな日常を示し、剣士が命を削るヤクザな商売ってのはあるんだろうけど。
 今回のような台詞群こそがまさに自分がこの作品に求めていたものなのできわめて嬉しかった。