「かんぽの宿」売却問題、当時の社長ら不起訴

 日本郵政が保養宿泊施設「かんぽの宿」などをオリックス不動産に不当に安く売却して会社に損害を与える恐れがあったとして、日本郵政西川善文社長ら幹部3人(いずれも当時)が民主党などの国会議員から特別背任未遂などの容疑で告発されていた問題で、東京地検特捜部は29日、「売却条件に最も近い条件を提示したのがオリックス不動産で、任務に反したとはいえない」として、3人を不起訴(嫌疑なし)とした。


 3人は2008年12月、正当な入札手続きを取らず、オリックス不動産に対し、少なくとも250億円の資産価値のあるかんぽの宿などを約108億円で一括譲渡しようとしたなどとして告発されていた。

(2011年3月29日23時05分 読売新聞)

 こういうのを見てしまうと、一体政権交代とはなんだったのか?と思わざるを得ない。自分はかいわれだのといった厚生大臣時代の菅を評価していたという不明を恥じなければならないのだが、それでも先の衆院選では空き菅民主党ではなく、小沢民主党のつもりで投票に臨んだ。が、結局政権交代の最大の功労者小沢が、トンチンカンな菅に追い落とされるという結果になった。
 この件は半額での払い下げだが、郵政私物化のときには数千万円の物件を数万円で払い下げとか、冗談としか思えない案件が報道されていた。それを検察が見逃すワケだ。結局日本の権力構造は変わっていない。改善点はあるものゝ、かなり残念な結果となっている。かといって、自民盗政権に戻るなど悪夢でしかない。民主党の統治能力が陳腐なのはわかるのだが、自民盗にそれがあったのか?といわれると、全くないといわざるを得ない。結局のところ自民盗は合衆国、もしくはその意を汲んだ官僚のお膳立てをスピーチしていただけだった。藩閥政治といわれながらも、まだ明治維新の元勲たちのほうが自分の国のことを自分で考えていたように思う。
 さて、日本人が日本人の手で日本を統治・運営するにはどうしたらいゝのか途方にくれるな。気がついたら国家の運営側はすでに国家観が崩壊しており、どうやって国有資産を私物化するか?、国民からどれだけ搾取をするか?という連中ばっかりになっている。で、庶民の側では国家の運営側に対する監視の目がほとんどなく、かといって地縁・血縁も崩壊して、小さな共同体の運営者としても劣化している始末。外交で言えば、すべてを合衆国任せにしてよかった冷戦構造が崩壊すると、経済まで崩壊し、日本はボロボロの状態になっている。資源もなく、広い土地もなく、かといって既に教育レヴェルが低下している日本での技術や情報には期待すべくもなく、数年前には「ジャパン・パッシング」とまで言われる始末。国内は在日基地が乱立し、被占領状態が続いている。まだ冷戦構造下のほうが、合衆国の支配下にあるといった意識が強そうなもんだが、かえって現在のほうが合衆国のいゝなりになっていることがあからさまになっているという不思議な状態になっている。明治時代あれほど不平等条約の撤廃に尽力したって言うのに、今や政府が合衆国に「このまゝ占領し続けて下さい、貿易もそっちの有利な条件で結構です」と言い出す始末。これでどうやって互いに喰い物にしてやろうと虎視眈々と狙っている外国に対抗できるのか?。広い視野を持ち、世界的に活躍しようかという日本人の優秀な学生は、官僚になって日本のために働くのではなく、外資系企業を志向していた時期がほんの昔流行ったしな。まぁ老害が自分の得のために他人を犠牲にしている組織がブラック企業という名で日本にはわんさかあるようなので、まぁまともな学生はそういうところは避けるよな。労働条件が同じ悪いのであれば、せめて報酬だけでも報いてくれる外資系企業のほうがまだ健全だと考えても不思議はない。世襲が蔓延っている状況からすると、今は終戦というより、まさに維新前夜なのかもと思ってみたり。そうであるならば、やはりこゝは権力構造をひっくり返すことこそが日本が生まれ変わる最低の条件だといえる。今考えると、民主党政権ではそれが達成されなかったということだ。なら他の方法がもうじき出てくるだろう。というか、出てこなければ停滞した状態がずっと続くだけだ。民主政権が続くにせよ、自民盗政権に戻ってしまうにせよ、新しい政党による政権が出てきたとしても、それはいずれも看板のかけかえでしかなく、中身は旧態然とした、でたらめな統治体系だ。私塾という形でなくとも、志を持った人たちがなんらかのつながりをもつところが今あるんだろうか?。もしかしてそれは場所的に一致する必要がなく、ネットで繋がればいいものなんだろうか?。まだその萌芽は観察できないようであるが…。なんか期待したいよな。