ささめきこと 第1話

 これはいいブーメラン。
 うーん、特に紹介っぽいという展開でもなかったんだけど、いきなりしっとりとしたお話でビックリ。普通、こういうのは紹介とかやって、設定を周知させてから切れ込むもんだと思っていたけど、細やかな作画で自然と把握できるようになっている。原作付きで、それが漫画だからというのもあるんだろうけど、自分は未読なので、果たしてこの演出が原作由来のものなのか、アニメスタッフによるものなのか判断がつかない。
 自分はマリみてとか、女子同士がいちゃいちゃするのを堪能する作品をほとんど視聴していないので、この作品の狙いがどうなのかは今のところ判断が出来ない。そういや女の子同士ってのは神無月の巫女ぐらいかな、今思い出すのは。まぁどういう視聴態度が望ましいなんて野暮なことは言いっこなしなのだが、そもそもこの作品が男の子向けなのか、女の子向けなのかが気になってしまう。
 そもそもレズといった言い方が正しいのかどうかわかんないが、いわゆる同性にも惹かれるところがある、それは男がレズ・ホモともに受容可能で、女だってレズ・ホモともに受容可能なんではないかとも思えるのだ。別に恋愛対象とまではいかなくとも、男の友情という男臭さに男が当たり前と感じるだけでなく、女だってそういう関係にあこがれることだってあるだろう。で、その逆だってあるわけだ。で、それが性的な部分までどこまで踏み込むかってのは、視聴者それぞれ違うだろう。それが妄想で止まるのか、ある程度実生活で実現されるところまで望むのかってのはケースバイケース。で、そういう世界にどれだけ興味を持たせられるのかは、まさに表現者の力量にかゝっているというか…。
 で、今回視聴してオヤっと思ったのは、主役二人でいえば、風間は文句無しにヒロインではあるのだが、村雨はヒーローの部分が受け持たされているというか、微妙に男の役割が受け持たされているということだ。だから、別に男としては自分を村雨と同一視して、いわゆるレズものとしてではなく、フツーの恋愛物語としても視聴できるわけだ。で、村雨が男の立場で風間を見ているのだとすると、それはそのまゝ風間が先輩もそういう立場で見ているってことにもなる。そして女が女をかわいゝと思うのは、男が女をかわいゝと思うのとどう違うのか?ってことだよな。別に性的な部分に踏み込まなくても、かわいらしいと思う相手と心を通わせたいというレヴェルだったら、もしかするとそんなに違いは無いのかもしれないと思ってみたりする。あとはどこまで踏み込むかってとこだわな。
 しかし、「誰だって、好きな人の泣き顔なんて、見たくないよね。」とキャラに言わせてた割には、その泣き顔に気合を入れた作画ってのが泣かせるわな。やたら描写にこだわっていて、まさに絵に情報が込められている。BGMもなかなかにして素晴らしい。台詞が少なめなのは原作由来でもあるんだろうけど、R.O.Dを見た直後だと、やはり黒田節ってとこかな。
 もしかすると感想自体は、以降書きにくいかもしれない。いろいろ考えながら視聴できるように作ってあるので、ネタはあるんだろうけど、あんまり野暮なことを考えずに、ただ作品に浸るって視聴態度のほうが幸せな気がする。