アタックNo.1 第67話 鬼キャプテンこずえ

 「鮎原さん、資格なんて誰にも無いのよ。バレー部全員があなたにキャプテンになってもらいたいの。あとは自分で努力するだけだわ。」
 いやぁ、いくら真木村に才能があるからといっても、ぽっと出の新人にレギュラーなんて、補欠選手は悔しくないのかね?。こずえは一貫してはいるんだが、最後わかってもらえなくて泣くというのもヘンな話だしな。報道を使っての小細工で勝っても、それは本当にこずえに勝ったことになると思っていたのも不思議だし。本郷も都合よくでてこないのも出来過ぎといえば出来過ぎ。
 しかし、いろんなものを犠牲にしてまでも見せたかった心の通じあいってのはさすがに描けていたような気がする。なんのかんの言っても初心者にそれなりの練習を施すみどりだの、真木村相手に本気になるこずえに「オイオイ、そりゃ大人気ないだろ」と割り込むほかのバレー部員だの、浪花節っちゃぁ浪花節だが、だからこそわかりやすいというのはあったと思う。
 しかし危なっかしいよな。高校生だからもうちょっと物事がわかっていなくてもおかしくないのだが、今回の一連の流れで、キャラクターの行動が一つでも不適切だと成立しないギリギリの構成だわな。もしこずえが真木村の対応に冷静さを欠いたり、最後大沼が説明に入らなかったら…と考えると、かなり綱渡り的な流れではあるんだよな。大沼も部活動を抜けてバレー部から一歩はなれた存在であるからこそああいうことを言えるわけで、バレー部の内部にいるものの発言だとただのこずえ擁護になるだけだしな。しかも大沼が女王様から脱皮した解脱者であり、つらい練習もくぐり抜けてきた一番の経験者だからこそ発言に重みも加わってくるわけだ。
 しかし真木村が意外に小物だったのがずっこけた。もうちょっと気骨があるのかと思っていたら、ただのライヴァル意識だったとは。でもまぁ初めっから出来た人間扱いだと他のキャラが食われっぱなしになるし、成長余力が少なくなるしでそこら辺よく考えられてはいると思う。今回なかなかわかりにくかったが、みどりも落ち着いた対応をしていて、各キャラの成長をなにげに描いていたのも面白かった。