月面兎兵器ミーナ 第11話「最終アナウンス」

 マスコミのマスコミによるマスコミのための自画自賛作品。
 最後初めて登場するミーナが居てポカーン。まぁやるなら2クールやりたかったんだろうなという気はする。動画としての出来は悪くないし、たぶん物語作りの基本には忠実なんだと思う。全体的に無難な出来でしょう。
 冒頭にある通り、最初からマスコミよいしょ的な要素が鼻について、欲望開放的な要素もマイナス要因となって視聴後感はよくなかったんだけど、後半から気にならなくなってはいた。慣れたのか見かたがわかったのか良くわからないんだが。“未熟だけどがんばる若手”というありかたが全肯定されているあたりなんだかなぁとは思うのだが、ターゲット層を考えるとわからないでもない。
 師走ミーナあたりから政権・政情批判的な要素が入ってきてオオっと思わないでもないが、傾向的には変わらないかな。プロデューサーあたりが予算を引っぱってくる時に「ここはひとつマスコミの好感度アップのために」とか何とか言って無理をしたのかな?と思わないでもない。振り返って登場人物たちを見れば、決してなんでもできるスーパーマンではなかったし、ミーナ全員がコンプレックスを抱えていてという描写は、絵的には陳腐ではあったが脚本の意図を感じずにはいられなかった。軽く流すところが多くはあったが、そもそも萌え要素を期待している視聴者が多いだろうし、いきなり暗い展開にするわけにもいかなかったのだろう。スポンサーというか、放映に関して圧力をかけてきそうな層との駆け引きを考えたら、自分が初期に行っていた非難めいた感想はやりすぎと感じてしまう。
 まぁそういうわけで、軽いノリをうしなわずに、視聴者サーヴィスもふんだんに織り交ぜて、若手層へのエールを前面に押し出しつつも自分の行為に自覚的であるということを考えると、スタッフも割といい仕事をしていたように思う。おもろ。