天保異聞 妖奇士 第9話「面と怨」

 ははぁ、なるほど。落語天女おゆいに期待したかったのは、こういう感じだったんだなと。
 宰蔵の罪というのは名前云々じゃなくて、実際にやっちまったことがあったからなんだねというお話になりそう。辛い現実を忘れるための芝居の罪深さなんて言っていて、なるほどなと思っていたんだが、そういう感じにはならないようですな。芝居なんて架空のものにうつつをぬかすより、もっと現実を楽しく過ごすとか、楽しいように変えていくべきなんて方向性を期待してはいたのですが。まぁアニメなんてのも突き詰めちゃったら現実を忘れるためのおためごかしに過ぎないってのはそうなんですがね。
 ただ芝居だろうとアニメだろうと、別に辛い現実からの逃避だけってわけじゃなくて、今までのあり方の反省とか見直しなんてのも詰め込めるし、明るい未来への指標にもなりうるわけなんで、そこらへん作り手・受け手のレベルによるんじゃないかと。別に今回の話がそう繋がりそうもないって感じはいたしますが。
 アニメも芝居の一部だからってわけじゃないですが、おゆいでの「落語に込められた言霊」がより望ましい形になっていたような気がいたします。まさかおゆいにインスパイアされてこの企画が出来たってわけじゃないよね?。