妖はじ#15

 同僚の酒呑童子の家族トラブルを主人公が解決する話。ナニコレ?。低予算アニメらしく、枚数は少ないし、話はダイジェスト気味だし、場面の切り替えや事態の推移がトコロテンのように押し出されてくるし、もう雑オブ雑という作りだったのだが、なんだろ?、個人的には必要にして十分ジャンと思ってしまった。今回のテーマの一つにトモダチというのがあって、普通なら安っぽいと感じるのだけども、今回の話だとトモダチという簡素な単語一つでは決して表現できない奥深さがあったし、同僚の酒呑童子のすべてにおいて割り切れない気持ちや葛藤、かといって決して自分が問題から逃げているわけでもない彼自身の人間性に切れ込んでもいて、確かに余分なものを徹底的に切り捨てた結果ではあるが、ここまで捨てちゃってもこれだけの感情表現ができるのかとちょっと感動してた。
 せっかくの映像作品なんだからそんなに説明セリフに頼らずに絵で表現しろとか、安易に強大な力に頼るんじゃなく、ちゃんとキャラ達の人間関係を絡まった糸をほぐすように解決しろよと思わなくもないんだけど、そんなに丁寧にやるだけの尺なんてネーだろと思うし、そもそも主人公の退魔の力は最初っからデウスエクスマキナとして用意されており、今回もトラブルをどう解決するかではなく、トラブルを解決する過程で主張したいメッセージの方がメインなのは分かるので、繰り返しになるが、ホントよくこんな極小なリソースでここまで表現したものよといった感じ。

木の実マスター#4

 桃髪ツインテとの対決とりあえず一回目は終了の巻。うーん、微妙な感じはするがダメなろうみたいな印象は薄まったかな。元英雄が嫌われて闇堕ちあたりは、主人公キャラ側と対立するからって決して悪役と断じてよいものではないみたいな感じやし、今回聖女も悪の組織っぽい提示がされてたから、やっぱり主人公と対立する側ではあるんだろうけど、単純な悪と断定することもできないといったところか。
 木の実を追加一個喰って危機を脱するという流れかと思ったら、いきなりの複数個ときたもんだ。このへんはゲームのガチャまとめ引きのパロディだし、補助的スキルで危機を脱出だからコメディ扱いで、チートスキルで無双して読者は喜んでくださいって形ではなさそうだけど、個人的にはスキル描写にに尺を割かれてもな…という感覚。

甘神#15

 ループから抜けられずの巻。そういう雰囲気を作るのがうまいというか、七夕まつりに専念するのがどうも正解ではないらしい…からの、マラソン大会と七夕まつりの両方をこなすというのもどうやら正解ではないらしい…というのが先輩巫女に相談する前からぼんやりわかる作り。で、主人公が三女に助言を与えて本当に彼女が何をやりたいのか無視してしまってることに気づいて反省するが、当の三女はそもそも自分が何をやりたいのかわかってなかったという…。話の流れを追ってくと、最後の三女の状態でズッコケる所だが、ただ、中学三年生の女の子がそんなに自分の将来を真剣に考えるべきというのもよくわからん話で、とりあえず今までの人生で体験したことの中から自分が好きなものが何かなんてぼんやり選んでるものだろうし、姉も高校や大学に言ってる段階なんだから、将来のことを今から決め打ちすべきとも思ってないのが普通だろう。
 前近代だったら、大体が生まれながらにして家業を継ぐとか方向性が決まっており、職業の選択肢なんかないようなものだったから決断する必要もなかっただろうし、別に現代だって自分の興味にあった好きな分野から高校や大学の学部学科を選んで、そこから就職先をぼんやり選んでいれば特に決断というほどの大きな選択をしなくても流れに任せてそれなりに生きてはいけるのであって、まぁこれだけ日本が経済的に衰退してしまってる現状だと確かに早めに決断して必要な資格やスキルを早めに習得しないと条件のいい就職先には入れなく放っているけど、それって別に若者のせいではないからなぁ。
 物語的には主人公というより三女が何らかの正解を引き当てなくてはループ状態から抜けることはできないし、物語の設定上主人公と三女がともに過ごせるようなものでないとダメなんだろうと思うが、それが三女が何らかの形で進路についての決断をしなければならないのか、それとも決断とまではいわんけど、とりあえずの方向性を決めてそれに向かって努力する…というようにモードを切り替える必要があるのか、そのへん作者が用意してる答えが読めないのが楽しい。

アンメモ#15

 ヒロイン暗殺未遂だとか、それを策謀した宗教団体の壊滅とか。…というより、ヒキの描写、男側は全てを悟ったってこと?。ヒロインの剣術がとか、誰も…というか男ですら知らなかった宝物庫の、誰も存在すら知らなかった宝玉の詳細を知ってて、それがどういう機能をもってて、現に目の前に400年の時間を経過したとかいうヒロインがいて…で、情報は揃いに揃ってるので、確証はないだろうけど察することぐらいはさすがにできるデショってなもんなんだけど、ちょっとでもハッとするような描写すらなかったし、ヒロインの表情もそんなに動いてなかったので、あの会話を聞いて「え、どういうこと」としばらく理解できずにいたよ…。

花修羅#3

 顧問登場の巻。やっぱキビしいねぇ。見せどころ聞かせどころの過剰演出は大分収まってこれぐらいなら許容範囲かなと思わなくもないけど、途中でエコーを効かせたり、劇伴を被せたりして台無し。キャラ達が聞き惚れるぐらいなんだから視聴者としても純粋にその部分を聞き取りたいじゃない?。劇伴はレベルを押さえているから過剰とまでは思わないけど、明らかに朗読が聞き取りにくくなるので邪魔。
 ストーリー部分はこんなもんだとは思うんだけど、やはり同じ映像作品でも漫画なら周囲のキャラが称賛したり悔しがったり大会で順位をつければ、読者は音を確認するすべがないのだからあーこのキャラはそれだけすごいんだと自然に受け入れることができるけど、ジャパニメーションだとちゃんと音の部分で視聴者に納得させないといけないからねぇ。時間と金を無限にかけられるならクォリティを上げられるけど、限られたリソースを駆使してこの程度の表現力なのはしかたがないのはわかるけど、正直アニメ化するべき作品ではなかったのではという気持ちが強い。