幸腹グラフィティ 第12話

 まぁ、無難にまとまってたとは思う。
 料理のチョイスもおさまるべきところにといった感じだし、前回まで盛り上がってたストレスは特に感じなかった。原作をちょっと立ち読みした限り、うーん、なんていうか、原作こそ細切れにされている分一応ひと月分はテーマに沿ってはいるんだけど、4コマに収まるように全体の流れが細切れにされているので、むしろアニメに再構成されて自然な流れになっている分、アニメは良くまとめたというか、むしろストーリー漫画になるべきものを無理やり4コマにしなきゃならない原作者が大変なのかその辺は判断が難しい。4コマと聞いて思い出すのは氏家ト全の漫画で、妹は思春期でちょっと注目していたのが、女子大生家庭教師濱中アイで、コマ割りが4コマではない漫画になってやたら感心していた。生徒会役員共で、また4コマに戻っているようだが、テキストの流れを考えるとオチの演出の豊富さから考えると、4コマはいくら漫画の基本といっても「次がオチですよ」というのが固定されている以上、マンネリとならざるを得ないんだろう。正直自分が立ち読みでこの幸腹グラフィティを読んだ感想が、「アニメのほうが面白い」ということであり、もうこれは構造的な問題と考えるしかない。そう考えると、今まで視聴してきた4コマ原作のアニメって、むしろ原作は自分的には面白くもなんともない作品が多いのかもしれないなぁ。
 結局この作品を振りかえって思うには、やはりテキスト部分はありきたりで、どっかで見たようなエピソードをこの作品用にカスタム化している以上のなにものでもないという感触。それが一連の流れとして形を保っているのは、原作者が構想上で想定していた一連の流れがそれなりに反映されているか、脚本の力なんだろう。特筆すべきは食というよりは食べるシーンへの力の入れようで、これは今までに何回か言及してきたように、かなりのリソースを割り振っている模様。今までのアニメの技法がふんだんに使われて、そのおかげでクォリティが高く感じられ、エピソードゝしては大したことがなくてもそれなりに診られるものになっているという感触かな。キャラがいろんなところで感動したりポエミーな台詞が散りばめられているのも、自分的にはオーヴァーアクション気味。きりんがリョウの家に来るのは週末だけなんだが、毎日が祝祭かよ!ぐらいのツッコみが入る勢い。全編を通して画のクォリティは高いし、食べるシーンに全力を尽くしたって感じの勢いは評価されるべきものがあるとは思うが、自分的に一番評価が高いのは音楽だったという。自分にはいろいろ考えるネタは提供してもらったから楽しく視聴できたが、どう考えても人に薦めるほどの作品ではないと思う。おもろ。