ヘッドフォンケーブル、オルトフォンSPK3100の修復

 なんか直ってしまった。


 ミニXLRが小さくて、極太のスピーカーケーブルを無理して嵌め、それでダメになっていたのだが、どこかに太いケーブル用のミニXLRコネクタはないだろうかとネットを探していた。が、太いケーブルには普通のXLRを使えってことらしく諦めていたのだが、ミニXLRの接続部分だけ使って、挿入側に太いケーブル用のコネクタは使えないだろうかといろいろ探してこれはどうだろう?というのがAmphenol TM2PNJ。これがダメでも1/4'プラグの差込部分を切り取って、ドリルで穴を開ければ…なんて思っていた。アンフェノールのを購入したのは約1ヶ月前。

 これだ。まぁそりゃデカいわな。

 これの特徴は差込部分が楽に外せること、ケーブルはゴムを外せば8㎜まで入ること。あとはこれにタップを切って、いわゆるITTキャノンのミニXLRメタルの接続部分を利用すればなんとかいけそうということになった。
 が、問題はこのITTキャノンのネジ規格。DIYショップに行って店員に相談するとM10規格だが、店頭在庫に該当するものはないし、取り寄せもしないとのこと。ちょうどネジを嵌めるアダプタがあって、ネジ規格を特定できるものがあった。確かに途中までは入るんだけど、そこからきつくなって全部入らない。
 で、ネットでネジ規格を調べて、ピッチゲージを買うかなんてまで思ってたんだけど、問い合わせが一番とばかりにメールで聞いてみた。で、1〜2日でスグ返答が来て、それによるとユニファイ(インチ規格)3/8の32ということだった。3/8は穴の径で、32はピッチ。1'に32山切ってあるという意味らしい。やはり聞いてみるもんだ。ピッチゲージなんて買わなくて済んだし、買って測定したところで自分の技量では特定できたかどうかも怪しい。
 あとはタップを購入か…と思い、モノタロウで調べると、これが高いの何の。2000円ぐらいする。どうも、この3/8という径もさることながら、山数の32が特殊らしくて製品そのものが少ない。タップハンドルも高い上に送料を考えると、3000円ぐらいはする。長い間ネットで検索してアホらしと思ってふと思い立ったのがebay。なんとスグに中華業者のサイトで見つかった。1000円ぐらいで、送料無料なのがめちゃくちゃうれしい。で、早速注文。ついでにミニXLRコネクタもいろいろ(別の業者から)購入した。
 タップは1週間ほどで到着したんだけど、折角だからITTは温存、注文したコネクタを使ってみようかと待っていたら、これが待たされた。発送連絡はスグ来たんだけど、業者の所在地が中国なのに、なぜかシンガポールポストのトラッキングナンバーが送られてきたのだ。結局荷物検索に発送の処理が載るようになったのは20日後のこと。注文から到着まで一ヶ月ほどかゝった。安いし送料もかゝらないんだけど、ちょっとやきもきしたな。で、それが今日到着。

 タップハンドルがないので購入しようかと思ったんだが、タップなんて今まで使ったことがなかったので使用頻度が著しく低いものと判断、買わずに済ます方法を模索した。で、ソケットレンチを使うことに。タップの噛み込み部分がちょうどソケットレンチのアダプタとほとんど同じ大きさ。

 なので、六角レンチをハンドルにしてなんとかタップハンドル無しで作業完了。まぁアダプタは普通逆に使うワナ。

 ネジの溝が二山ぐらいしかないが、なんとかなるかな?。

 と思ったら、中華のコネクタ(右)はITTキャノン(左)に比べると、接続部のネジが最後まで切っておらず、タップを切ったアンフェノールに嵌めてみるとぐらぐらというか空回りして全然固定というレヴェルではなかった。しかたがないので、ITTキャノンのを使うことに。実はコネクタの半田付けする端子部分がこわれてしまったので、これは中華のを使うことにした。サイズはピッタリで問題なく使える。

 芯線が太いのであいかわらずギチギチで作業がやりにくい。

 差し込めるものは差し込んでみた。この白い樹脂製のは中華ながら品質がITTのより良い。

 接続部を挿入して、あらかじめケーブルに通しておいたフォーンプラグ用のをねじ込んでいく。

 この紫色の樹脂でゞきているチャックを嵌める。チャックには凸状の、そして差し込む金属製の外皮の内側には凹状の部分があって、勘合するように差し込んでいく。このチャックがないと、簡単にケーブルが抜けてしまう。

 チャックはこのぐらい奥に差し込まないといけないようだ。もともと無理してミニXLRに差し込むためにケーブルの外皮を削っていただが、これが幸いした。削ってないとかなりキツいみたいだ。削りすぎるとチャックで固定ができずにすべるので、丁度良い塩梅だったという。

 いちおう完成。下に映っているのはケーブル挿入穴に差し込んであったゴム。これを嵌めたまゝだとケーブル径が5㎜のしか入らない。外すとこの通りケーブルが入った。
 早速使ってみたが、やはり音自体は前に聞いたとおりだと思う。最近作ったケーブルと比較するとちょっと音に厚みがあるような気がするが、それはこのケーブルはある意味エージング済みだからかも。使用感だが、やはり大きなコネクタになるせいか、重いというか邪魔っけだろうとは思うんだが、実は自分は寝転がって使うので、5分もすれば気にならなくなる。最初接触が悪かったのだが、プラグ部分だった。その次接触が悪いと思ったら、アンフェノールとITTのねじ込み部分が緩んでいた。ネジが緩めばケーブルが外れる方向に動くので、端子が引っこ抜かれるようになるらしい。しっかりねじ込んでおけば直ったので、ネジロック剤でも使えばよいだろう。
 いやなんかもうケーブルはこれ一本でも構わないんだけどな、こんな工夫をしないと使えないってのは不便ではある。普通に作るのに比べて、アンフェノールのプラグ500〜600円、中華タップで1000円ほど余分にかゝる。ちょっとコストパフォーマンスは良くはないワナ。が、SPK3100はケーブルとしてそんなにバカ高いってわけでもないので、まぁ自分的には実用以外にいろいろ試行錯誤が楽しめたってところ。