神さまのいない日曜日 第10話

 うーん、強烈。
 スゲェ学校批判だな。生徒の願いがそのまゝ叶い、それは同じ日常の繰り返しであること(即ち成長しないこと)、勉強する場面が描かれず、町内には観覧車(遊園地のメタファー)があり、ゴーラ学園と対照的に遊びの場であること。外の世界には廃墟としか見られていないことから、内部ではおそらく生産的なことが一切されていないことなどが挙げられ、もう、死者の街オルタス(オルタスはまだアジールとしての役割が与えられている)より救いのない街という描かれ方をしている。それが内部ではいかにも幸せそうな様子になっているのが罪深い。
 作者は厨二病という舞台を使いながらも、本質は社会批判という立場に立っているような気がするが、学校を檻と考えそう*1な中高生向きとはいえ、その中高生批判も繰り出してきたことからも学校批判…日本の教育制度に対する全否定振りにはなかなか目が覚める思いがする。で、おそらくそれは間違っていない*2というのが恐ろしい。ゴーラ学園は他力的な檻、3年4組は自発的な檻。その両者によっても日本の教育制度が成立しているという現実。
 いや、そこまで見通しているというのであれば、もうアリスの「世界を救う」≒3年4組を救うというのは今の段階からもう失敗するのがミエミエと思うんだが、しかし、オルタスもゴーラ学園編もハッピーエンドにしてるからなぁ。世界が救えないなら個人つまりアリスだけが救われて終わりのような気もするが、まぁ結末に関してはどうなるかわかんないのであと2話を楽しみにすることに。

*1:まぁ逃げようと思えばいつでもいくらでも外に出られる境界でしかないんだけど

*2:自民盗の愚民教育制度と生徒もしくはその保護者の学校は居心地の良い子供預かり所という願いは共犯関係