勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。 第12話

 商品券じゃなく、割引券ってあたり、たしかに店長渋いなと思った次第。
 最終回としてはまぁこんなものかとも思うが、結果がわかっているだけにそれほどでもなかったかな。アイリがレオンに転職ってのも予想の範疇だしね。フィノが正気を取り戻したという流れが今一ではあるんだが、逆に魔王になろうとした動機も今一なので別におかしいってほどでもなく。
 原作がどこまで続いているのか、いやどこまで続くのかわかっていないが、Amadaが薄利多売、レオンが地元密着型って形が示されているので、その違いで両者が共存するって流れになるんだろう。そのへん、物語を続けるにあたっては無難だし、かといってレオンが続くための合理的な方法が示されないからといって文句をつけるのも、今、日本でレオンのような商売はジリ貧で、うまくいくための方法が現実に存在しない以上、リアリティ云々を問題にすべきでもない。
 まぁよく考えたら、若者の就職事情と地元密着型の商売の運営方法の両方を成り立たせるってのは無理がありすぎる。そういうのが一ラノベの提案でどうにかなるんだったら、社会問題化していないわけであって、そのへん、仮定の話を積み上げて視聴者に考えさせる、もしくは問題提起するのが適当であり、この作品はそうしているってだけの話だろう。その意味でいうと、途中でマルクスの労働による社会参加という視点の提供をちょうど良いタイミングで提供していたのが印象深かった。
 お色気に関しては、まぁそういう視聴者を対象にしてるから間違いではないんだけど、作り方によってはもっとターゲット層を拡げることができたであろうし、そういう意味では抑え気味に作って訴求力を高めたほうがよいような気がしないでもない。妙にセクハラ糾弾って形にしてなかったから、そのへんなんとかできたんじゃないかとも思うが、まぁさすがに、原作がこういうものだろうし、ターゲット層を拡げるためにイメージぶち壊しになるよりは、はるかにこのような作り方が良かったんだろうなとは思う。スフィアを起用してEDのテンポ良い作りにしてるのも結構考えているなと思わされた。クォリティは高いわけではないんだけど、荒削りでありながら自分的にはポイントを押さえた良作のように思えた。おもろ+。