ついに最終巻。というか、やろうと思えば続編も書けるように〆てたが、おそらく続編は出ないだろう。
自分的には第4巻が全5巻の中では一番面白いと感じた。この第5巻もそこそこおもしろいのだが、どうも今までの雰囲気がうまく表現できていないというか、話を終わらせるのを優先させて作りこみが足りないような気はした。といっても自分の中での阿智ワールドを再現して欲しいという我侭ではあるので、別に話の骨格としては良くできているとは思った。
どうもこのシリーズはキャラの立ちが今一のように感じた。魔界ヨメもキャラが立っていたのは最初のうちだけで、後半は添え物って感じだし、主人公は主人公で今までの阿智太郎作品のなかでは物語をドライヴする力が少なめ。かといってこういう筋立てだとヒロインに振り回されるのが正しい使い方なので、積極性を出されても困ると言えば困る。
ヘンな話、第5巻で終わらせるのはちょっともったいなかったかな。第4巻あたりで盛り上がってきたので、作者が最后に方向性を示したようなお話をあと4〜5巻ほどやって〆たらよかったと思うんだけど、正直この作品がそれほど人気があったとも思えず、編集部的にはよっぽど人気が出て困るということにならなければ、始めっから全5巻でって前提だったのだろう。まぁおとなしく忍者モノを待っていれば良いってことなんだろうけどねぇ。