どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人 (ガガガ文庫)、読了。

 これは正真正銘今読み終わった。
 手短に言えば、退屈なんだけどおもしろかったというもの。雰囲気からして退廃的なんだけど、退廃文学に良くある、やることがないので仕方なくって感じがなくって、何事にも真剣に取り組んでその結果退廃的になってるってもの。第三帝国の神殿にて〈上〉ナチス軍需相の証言 (中公文庫―BIBLIO20世紀)を読んでいるせいか、ちょっと雰囲気が似てなくもないかなと思わなくもないが、どっちがいゝんだろうな?。
 濡れ場描写は既読の作品の中では一番多いのだが、いかんせん実用に耐えない。ならばいっそのこと要らないんじゃないかとも思うんだが、身体的つながりと精神的つながりが(作中で言及されてはいないが)不可分だとも思うので、こういうものなんだろうと思う。
 うーん、やはりこの人の作品って終盤の急展開が持ち味なんかね?。この作品だと頁数が多いので、中ダレしているような気がする。が、構成上最後にあぁいう場面を持ってくるんだとしたら中ボスを挿入する手段は取れないのでなんとも。
 というわけで、中里十商業作品6冊読了。新刊期待。