No. 6 第9話

 楊眠の小物っぷりに落胆。
 彼があぁだと、他の仲間とやらの器もしれたようなもんだわな。ネットで行動するって言ってたけど、No.6の恩恵とやらにどっぷり漬かっている層が真実を信じるかねぇ。紫苑という善人ですらNo.6の真実を知ることもなくして、あどけなく救うとかなんとか言ってるだろ。No.6に疑問を持ち、爪弾きにされたはずなのに…。だからもっと平凡な人間だったら、何の蓄積もない情報と今、この瞬間の、安楽な生活とを比べてどっちを取るかねぇ?って話だ。日本国民も、自民盗ですら賄賂漬けであるということを知ってゝも支持し続けた層がかなりいるわけだろ。原発事故だってカネを中抜きして防災対策をわざと怠り、東電と結託して国民から搾取し、仲間内だけで利益が循環する仕組みを作ってたんだろ。それでも国民の怒りが自民盗に向く事はないし、彼らを退場させるという動きも見られない。むしろ特権階級に近い側は人を蹴落として自分が美味しい思いをするのなら、その事実から進んで目を逸らして搾取に励むってもんだ。
 人狩りの様子はまさにユダヤ人狩りとそっくりだよな。ヒトラー政権下のドイツが、ユダヤ人をまづケットーに閉じ込め、その後強制収容所に送って絶滅するという…。映画でシンドラーのリストってのがあったが、あの中で水晶の夜“クリスタル・ナハト”をモチーフにした検挙シーンがあったが、武器を使ってユダヤ人を追い立て、強制収容所に送るという部分と、この作品の人狩りがもう瓜二つでなぁ。
 しかも、実はこのシーンがユダヤ人狩りを想起させるってだけじゃなくって、むしろ現代日本のことを言ってるんじゃね?と思わせるのがエグい。バブル崩壊後、リストラという人切りがあり、その結果ホームレスが量産されたと思うんだけど、それがこの壁の外の世界と一緒なんだよな。しかも公園で寝泊りしているホームレスが治安に悪いとなれば、警察がしゃしゃり出てきて撤去だろ。それがもう早10年も前にこの日本で起こっていたことなんだよな。あの時段ボールハウスや青シートを取り上げられた連中はどこへ行ったんだろ?。ホラ、その後の消息を聞かないだろ。
 で、これまた酷いのが、ユダヤ人狩りの場合は、一箇所に押し込めるとはいえ、ゲットーという既存の施設を用意していたし、ユダヤ人の財産を接収する目的もあったりしたし、殺す時にもシャワー室なんてごまかしすらしてたのだ。が、この作品の世界や日本だと、ネズミ達やホームレスは住むところも与えられず放り出され、別に彼らは何も持っていないから無下に扱われたし、ホームレスは住処を奪われて風呂にでも入れてもらえたのかどうかもわかんないし、この作品だとごみ処分場での取り扱いと一緒だろ。まだユダヤ人のほうが人間扱いされていて、この作品世界はともかく、日本だと、人権人権とうるさいから法律に沿うという形をとっていながらも、実は全然人間扱いもされていない。というか、人間を人間扱いしない法律ってのが日本にたくさん存在する*1ってのがそもそもっていう気もするが。
 物語の構成としては、ネズミや紫苑が潜入するための舞台づくりになっていて、必ずしも今回が社会の理不尽な構造をバッチリ示すというステップではないんだけど、知識があればこの回だけでもNo.6が許されない存在だってのは伝わってくる。で、次回はもっと絶望させてくれるらしい。ゴミ扱いされた紫苑たちが、No.6における何かの必要があってあぁいう仕打ちを受けているんだろうけど、沙布ですら実験体扱いだからな。自分的には今回だけでも、この世界が吐き気のするものだってのはお腹一杯になるほど思い知らされているのだが、次回の衝撃とやらが感覚が麻痺してそれほどでもなく感じるのか、やはりさらに想像を絶するものを見せてくれるのかは楽しみにしておいたほうがいゝんだろう。
 イヌカシはどうやら女だったらしい。まぁアニメだからどのようにも描けるわけなんだけど、ちょっとやられたな。そうじゃないかという予感も最初はあったんだけど、しばらくたってまずそれはないんじゃないかと断定していたゞけに嬉しい?サプライズ。@真堂圭だったけど、スピードグラファーでヒロインやってた人なんかな?。確か真堂圭って二人居た時期があってゴタゴタしてたような記憶があるんだが。もしそうなら芸幅が広くなってるのと、続いているってことでなんか頑張ってるんだなという風に思ってしまうんだが。

*1:そのほとんどが自民盗によって作られた。場合によっては人権を守るという皮肉な理屈つきでね。