猫神やおよろず 第10話

 神なのに仏典を守るって…。
 まぁ別にそれがおかしいってわけじゃないんだけどな。日本っていちおう神の子孫であるとされる天皇自体が仏教をありがたがってたワケだし。だいたい世界中でも、民族の祖先であるところの神ってのはだいたい理不尽なのが多くて、後から宗教が取って代わっている例が多い。神話にかわってキリスト教だのイスラム教だのと。でも神話以降の後発宗教だって人間を媒介にして神とのとりなしをたのんでいるだけっちゃぁそうかもしんない。まぁインドだって日本だって、神は取って代わられるというよりは、仏教の守護者として書き換えられているわけだしな。
 まぁそれはともかく、繭にお呼びがゝゝっている模様。相変わらずぐうたらしているように見えて、牢を破って賭場に出入りしていた頃よりは成長しているようだし、肩の力の抜けた様子はちょっとした貫禄を感じさせる。地方に左遷された貴種ということで、いまいち血筋の傲慢さを感じなくもないが、コネ設定を除けばやはり仕事観に沿った話運びのようにも思える。赤ちょうちんで一杯なんて典型的過ぎる。というか繭は落魄したが部下思いの万年大尉上司って感じだな。
 ネズミ退治の、殲滅するなとの格言はよーわからんな。ネズミが弱者だとしてそういう態度を取れっていうのはわかるんだが、今の日本は小物の犯罪よりは特権階級の責任逃れのほうがヒドいだろ。まぁそんな作品じゃないとは思うんだが、巨悪と対決する姿勢、もしくは巨悪を作り出す構造に対しての疑問などが描かれないとちょっと浅い気がする。繭やゆず、およびその周辺が貧乏カツカツであるという設定も、基本現在の日本が不況であるってことの反映なんだから、小物に対する容赦程度でなんか世の中をちょっとでも救ったような気になるのもどうかねぇとも思うのだ。
 あ、ナンプラーらーめんの社長・社員、やっぱ落ちぶれてたな。しゃもがそういう役割を果たしていたとはいえ、客に見放されて没落する過程を示して欲しかったというか。いや、この部分に尺を割くわけにもいかないんで、このぐらいがベストバランスだとは思うが。さゝやかに商売をするといった状態は落ち着くべきところに落ち着いたという風に見えるんだが、以降引っ張ったりするんだろうか?。
 どうやらラストエピソードに突入らしい。それとも次回でけりがついて、最終回はまた別ep.になるんだろうか?。そういや当初感じてた間の悪さ、自分が慣れてしまったのかそれとも描写が良くなったのか気にならなくなっちゃったな。ものすごいストーリーテリングって作品じゃないんだけど、終わって欲しくない気持ちが強い。